「GPAは就職に関係ないって本当?」
「GPAが低くても人気の企業に就職できる?」
大学の学業の成績を表すGPAは、就職に関係あるのでしょうか?
結論を言うと、GPAが直接合否に関係することはほぼありません。
しかし、高いGPAが就職に有利に働くケースはあり、就職以外でも一定のGPAが求められるケースがあります。
今回は、GPAが就職に直接関係しない理由と、 それでも高いGPAを目指すことを勧める理由を詳しく説明します!
GPAの算出方法と大学生の平均
最初に、そもそもGPAが何かわからない方のために、GPAについて説明します。
GPA(Grade Point Average)は大学の成績評価制度で、履修した全ての科目の成績を平均化した数値のことです。
大学ごとに成績の付け方は異なり、A~Eのようにアルファベットの場合もあれば、数字や漢字、5段階評価や6段階評価など様々です。
例えば、GPAポイントの最高値が0で最低値が4の場合、以下のような形で成績にポイントが付けられます。
Aや秀:4ポイント
Bや優:3ポイント
Cや良:2ポイント
Dや可:1ポイント
Eや不可:0ポイント
成績ごとにポイントを合計して合計単位数で割ったものがGPAとなります。
計算例:Aさんの半年の成績と単位数
成績が秀の科目:4単位
成績が優の科目:4単位
成績が良の科目:5単位
成績が可の科目:2単位
この場合、AさんのGPAは次のようになります。
{(秀の単位4×4)+(優の単位4×3)+(良の単位5×2)+(可の単位2×1)}÷合計単位15=2.6666≒2.7
大学によって、ポイントの付け方が異なるため、違う大学同士で単純に値を比較するのは意味がありません。
そのため、「これだけGPAを取れば就職に問題は無い」と断言するのは難しいです。
しかし、明らかに低いGPAは、企業側から見てマイナスなポイントになることは間違いありません。
いずれの評価方法においても、中間より上の値(例:5段階評価なら2.5以上)はあったほうが良いでしょう。
単位を落としすぎたり、ギリギリになりすぎないよう注意する必要があります。
ちなみに、大学生のGPAの平均は、およそ2.4〜2.8と言われています。
※5段階評価(最低0.0、最高4.0の場合)
GPAは就職に直接関係はない
冒頭でも述べたように、GPAが「直接」就職に関係することはほぼありません。
「直接」関係無いというのは、
- GPAが低い=人気の企業での就職が不可能
- GPAが高い=人気の企業に就職できる
とはならないということです。
なぜなら、大学や科目、教授によって得点の取りやすさが大きく異なるため、GPAを判断材料として用いるのは難しいからです。
さらに、大学によって成績の付け方が異なるため、異なる大学同士で単純に数字を比較しても意味がありません。
以上の理由から、企業側は、GPAで学生の良し悪しを判断することはできないです。
また、日本の企業は成績よりも「その人の人柄を重視する」傾向にあるので、GPAが就職に大きな影響を及ぼすことはないと考えられます。
一度就活を経験した私でも、大学での成績を重視している企業に出会ったことがないため、やはり多くの企業は人柄重視だと実感しました。
とはいえ、あまりにもGPAが低いと印象はマイナスです。
特に、勤勉さを大切にする企業には、「この人は真面目に仕事に取り組まない人ではないか」と疑われてしまうでしょう。
GPAを気にしすぎる必要はありませんが、課題提出や講義への出席など最低限やるべきことはやるようにしましょう。
それでも高いGPAは就活に役立つ!
就職出来るか否かに直接は関係しないとはいえ、 高いGPAは就活で次のように役に立ちます。
- 自分の強みとしてアピールできる
- 外資系企業はGPAを重視する
1.自分の強みとしてアピールできる
大学や科目によって差はあれども、高いGPAをもっていることは、それだけ学業を頑張ったことを意味しています。
本来、大学で最も力を入れないといけないのは「学業」です。
やるべきことをやり遂げられるという点は、大きなアピールポイントになります。
就活では、ES(エントリーシート)や面接で、自分の強みやガクチカを述べる場面が多くあります。
ここで、自分はやるべきことをやれる人間だとGPAを根拠に説明できれば、説得力のある自己アピールになります。
GPAは自分の努力が明確に数値化されているため、自分の魅力をアピールしやすいのです。
その結果、大手食品企業のインターンシップに参加することができました。
ESにGPAについて書くときのポイントは、
- GPAを上げるためにどのような努力をしたのか具体的に書く
- 学外活動(アルバイトやサークル)も頑張りつつ、GPAを高く保ったことをアピールする
- GPAを上げようとした目的を明確に述べる
です。
以上のポイントを押さえて上手くアピールできれば、採用者の心に刺さるESを書けます。
GPAが高いからと言って、必ずしも人気企業に就職できるわけではありませんが、ESや面接では高いGPAが役立ちます。
2.外資系企業はGPAを重視する
GPAは欧米の大学を中心に採用されている成績評価制度で、アメリカなどの高校でも導入されています。
「GPAが高い学生は仕事でも優秀だ」という前提があるため、非常に重要な指標となっています。
中には、「GPAが○以上」と基準を定めている企業もあります。
人柄重視の日系企業とは違い、外資系企業は即戦力や実力が重視されるため、GPAは就活に大きく関係します。
就職以外でも奨学金や大学院入試でGPAが必要になる
ここまで、就職についてGPAがどのように関係してくるか述べてきました。
しかし、GPAが関係するのは就職だけではありません。
- 奨学金の申請
- 大学院入試
1.奨学金の申請
多くの学生が利用している日本学生支援機構の給付型奨学金では、
GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属すること
という条件が設けられています。
他にも、様々な企業や団体が奨学金を提供していますが、GPAの記載を求められたり、基準が定められていたりするものが多いです。
どの企業・団体も、優秀な人や学業に力を入れている人を援助したいと考えているため、ほとんどの奨学金で「成績が優秀であること」が条件になります。
あまりにGPAが低いと、一部の奨学金が借りられなくなってしまうので、奨学金が必要な人は一定以上のGPAを取りましょう。
2.大学院入試
大学への進学を希望する場合、出願時にGPAの提出が求められることがあります。
特に内部進学の場合、「GPA順位が学部の上位2分の1以上なら筆記試験免除」というような制度が設けられているケースが多いです。
外部進学でも、参考程度に利用されることがあります。
大学院によって異なるため、ご自身が受験される大学院の情報をしっかり確認することをおすすめします。
特に内部の大学院への進学を考えている方は、単位を多く取る1年生からGPAを意識する必要があります。
GPAは合否を決めないが、高ければ役立つ!
GPAによって、採用の合否が決まる訳ではありません。
なので、GPAが低いからと言って人気企業への挑戦を諦める必要はありません。
しかし、GPAが高ければ、就職で自分の勤勉さを目に見える根拠付きでアピールできるので、高いGPAは就活において役立ちます。
また、奨学金の取得や大学院進学を考えている人は、高いGPAが必要となります。