「心理学部なんてやめといた方がいいよ」
誰かからそんなこと言われたら、つい悩んでしまいますよね。
ですが、大学院にまで進学し、心理の世界で生きていこうと思った私は、本当に心理学という選択をしてよかったな!と思います。
大事なのは誰かの否定の言葉ではなく、自分が「何をしたいか」という意志です。
本記事では、次のことについてお伝えします!
本記事の内容
- 心理学部ではどんなことを学んだのか
- 心理学部のメリット・デメリット
今、心理学部を目指している方も、他学部から心理学部に編入を考えている方も、そして私のように心理学にハマってその世界で生きていこうと思っている方も共感してただけたら嬉しいです!
そもそも「心理学部」って何をするの?
多くの心理学部では、心理学の基礎から応用心理学まで幅広く学べます。
私の大学では、臨床・発達・教育・社会・実験等の分野に分かれていて、大学1~2年生ですべての領域の講義を受講しました。
これから、私が1年生から4年生まで心理学部で学んできたことを簡単に紹介します。
1年生
1年次では、「心理学とは?」というところからスタートするので、初心者でも講義にはついていけます!
(ちなみに、心理学は高校の”倫理“に似ていると言われますが、倫理が苦手な私でも心理学にはどっぷりハマりました…笑 なので、倫理が苦手でも心配いりません!)
必修の「臨床心理学概論」の講義では、心の問題を抱えた人への支援を行うための実践的な方法を学びました。
また、「精神疾患」に関する講義がとても印象に残っていて、精神疾患の病名や援助の仕方、心理の専門家としての接し方を学びました。
その当時、私は心理学部生なのに、医学部みたいな講義を受けられて嬉しい!とミーハーな心を躍らせていました。笑
「心理学概論」の授業では、人間の一生における心と体の発達の関係を心理学の視点から研究する”発達心理学”や、個と家族の関係性を検討する”家族心理学”などといった応用的な心理学も学びました。
特に、子どもが好きな私にとって発達心理学は、非常に興味深く、学習意欲を増進させる講義となりました。
2年生
2年次ごろから、なんとなく「公認心理師・臨床心理士」の資格を取れればいいかなという気持ちから、本格的に心理の専門家への興味がわいてきました。
しかし、専門家になるには必須の「心理学実験」と「心理学統計」は理系要素が強く、理系科目が苦手だった私はかなり心配でした。
どちらの講義も必修だったため、何が何でも単位を取ろうと思い、がむしゃらに勉強しました。笑
心理学実験では、ストループ効果や触2点閾の実験、パーソナルスペースの実験といった「脳や身体の反応に関する実験」を行いました。
実験している時間はとても楽しく、「身体反応と脳はこんな関係があるのか!」と面白かったのですが、やはりレポートがかなり大変で、1週間レポート地獄になっている時もありました。
\心理学実験のレポートに役立ちます!/
3年生
3年次には必修も少なくなり、公認心理師や臨床心理士のカリキュラムを本格的に学んでいきます。
専門的な知識や実践力を養う年でした。
特に、公認心理師のカリキュラムのメインである「心理実習」は私の人生を変える経験となりました。
心理実習では小学校などに赴き、相手の心理面を考えながらコミュニケーションを取る練習をします。
特に、小学校での2週間の実習では、小学5年生のクラスを担当し、給食も昼休みも授業中も一緒に児童と過ごしました。
心理実習生としてできることは限られていましたが、「クラスの全員と毎日何かしらのコミュニケーションを取る」という目標を立てて実行していたため、非常に充実した毎日でした。
これらの経験から、より子どもたちに寄り添える心理の専門家になりたいという気持ちが強くなりました。
4年生
そして、最終学年の4年次では、4年間の集大成である卒業論文を作成します。
私は、少年院や少年鑑別所での心理的支援について考えることが多かったので、“非行少年”関連の卒業論文を作成しました。
心理学部におけるメリット・デメリット
心理学部のメリット・デメリットを4年間心理学部生として過ごしてきた私が考えてみました。
メリット
①自分が実験台になるので、自分のことを深く知ることができる
心理学部では、臨床心理学から社会心理学、発達心理学といった人に関わるものすべての心理学を学びます。
そして、心理学実験では様々な実験を通して自分の身体と心の関連性を測り、自分がどんな人間なのかを知れます。
講義を通して、自分の胸の奥深くに閉まっていた気持ちにまで向き合うので、メリットであるとともにデメリットでもあるかもしれません。
ただ、実験や質問紙調査等で知った自分の性格や特性を、就活や人間関係で上手くPRすることもできるので、学んだことをどんどん生活の中で実践していけるのもメリットです!
②教育・福祉・社会・医療等の幅広い知識を心理学に絡めて学ぶことができる
心理学部に入学しても、臨床心理士や公認心理師などの心の専門家になるには教育学や福祉学、医療の知識まで知らないといけません。
そのため、必然的に、心理学と共に幅広い領域の学問を学べます。
あらゆるものの知識をつけられるのは、大きなメリットでした。
その分、勉強量も多くなりますが、私は「心理学部に入ったけど教育学も社会学も医療も学べるなんてお得だ!」と感じていたので、なんとか乗り切れました。笑
デメリット
①数学が苦手だと、講義についていくのが大変
心理学は、文系の位置づけですが「統計」や「心理学実験」といった理系要素が強い講義も必修であります。
高校時代は、数学の問題を見るのも解くのも嫌だった私は、必修の統計や実験の授業は本当に大変でした…。
②心理学を深くまで知ろうとすると、長い時間がかかる
心理学全てを知ろうと思うと、膨大な時間がかかります。
心理学は、人体の機能や疾病といった医療分野の知識や、人間の発達における課題などを理解した上で心理学を学ばなければならないので、大学4年間だと時間が足りません。
そのため、本格的に心理学を学びたいと思うと大学院に進学することになり、社会に出るまでほかの人よりも時間がかかります。
その点はデメリットだと感じました。
相手の気持ちに寄り添う・相手を理解する方法を学びたいのであれば、心理学部に入らずとも心理カウンセラーの資格を勉強するのも良いと思います。
心理学部で使うソフトは特殊なので、ITを目指す人は注意!
私は、4年生で就活も少ししていました。
実験や統計でパソコンを使っていたこともあり、IT企業を受けていたのですが、面接でパソコンの経験値について聞かれたときに少し戸惑いました。
心理学部では、大学によって異なりますが、心理統計で使うソフトは限られておりメジャーなものはありません。
そのため、面接官に心理統計ソフトの経験値を伝えようとすると説明が複雑になってしまい、混乱してしまうことがありました。
IT企業を受ける際は、心理学統計のソフトの経験値だけでなく、身近なGoogleスプレッドシートやWord、Excel、Power Pointといった初歩的な技術から私生活で身に付けておくと良いです!
心理学部、やめとけという意見について思うこと
高校生が心理学部に行きたいと思うときに、「心理学だと就職で不利だし、食っていけないぞ」と言われることがあると思います。
確かに、心理職として生きていくとなると収入は不安定で、非常勤での勤務が多いと聞きます。
心理職でも公務員として教育、医療、福祉といった幅広い分野で働くことも可能ですし、臨床心理士・公認心理師を取得して心理の専門職として生きていくことも可能です。
しかし、心理学部卒だからと言って心理職を目指さなければならないということもありません。
民間企業に就職する割合は半数以上で、想像しているよりも多くの心理学部生が民間企業への就職をしています。
私も受けましたが、同じ心理学部の友人が決めた民間企業への就職先として、私がよく耳にした業界は”IT業界”でした。
心理学部では、統計や実験を行うのでExcelや統計ソフトを積極的に使用します。
実験グループのメンバーと相談しながら、Excelや統計ソフトを使用して解析をした経験を面接時に話して、IT企業から内定をもらった人もいます。
また、心理学部で学んだ「傾聴力」を活かせるのではないかと思い、IT業界以外にも人材業界も受けていた時期がありました。
人材業界では人と人のコミュニケーションが重要なので、面接でも「心理学部で学んだことを積極的に活用してもらいたいです」と面接官の方に言っていただけたこともありました。
人間の心はコンピューターでは図ることができません。
どのような時代になっても必要な力は、自分のメンタルケアです。
自分のメンタルケアができないと、誰かを助けることも、良い結果を出すこともできません。
そういった社会に、「心理学」は本当に必要とされています。
ぜひ、心理学部を目指している方々には、誇りをもって大学生活を過ごしてもらいたいと私は思います!
大学でどのように過ごすかが将来を決める
ここまで、心理学部について深くお話をしてきました!
「心理学部に入ってもアピールできるところがないな」「心理学部って就職に不利なんでしょ…」と思っていた方も、4年間の過ごし方を工夫するだけでアピールできるポイントは存分にあります!
「心理学部で良かった」と思えるような大学生活を送りましょう。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。