本記事では「カウンセリングサービスに興味があるけど、何でカウンセリングは日本で普及してないの?」と疑問に思う方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「カウンセリングサービスの現状」をイメージできると思います。
数年前、僕が研究室や会社で辛い思いをしたときに、カウンセリングとの出会いが僕の心を穏やかにしてくれました。
それくらいカウンセリングには感謝しています。
これからカウンセリングを日本で普及させるために、まずはその現状をお伝えしたいと思います。
それでは参りましょう。
日本でカウンセリングサービスが普及していない4つの理由
なかなかカウンセリングが身近にならないのには、以下の理由があげられます。
- 文化的な問題:自身を打ち明けない国民性
- 料金の問題:実は結構高い
- 活躍のチャンスの問題:限られた人しかなれない
- カウンセラーの技術の問題:臨床経験が少ない
それでは、それぞれの問題点について解説していきます。
問題点の解説
①文化的な問題:自身を打ち明けない国民性
日本人は心の悩みや問題を専門家に相談しようとはしません。
そのため、カウンセラーの需要が低く、必然的にカウンセラーも育ちません。
結果として、日本では心理学の遅れが他国に比べ顕著です。
100年前の心理学者であるユングやフロイトの書籍が本屋に並んでいることからも分かると思います。
もちろん、彼らの学説が全て間違っているとは言いませんが、今と昔の社会は大きく異なります。
時代ごとに人の心の在り方が異なるのなら、現代の社会では現代の心理学を知る必要があります。
ですから、カウンセリングが普及していくには文化的に難しいのかもしれません。
②料金の問題:実は結構高い
カウンセリングの料金は意外と高いです。
感覚的な相場ですが、だいたい一時間で4000円~12000円くらいです。
なんでこんなに高いかと言うと、日本ではカウンセリングが保険適用外だからです。
そのため、近所のコンビニにふらっと立ち寄る感覚でカウンセリングに行ける人は限られます。
つまり、お金のない人には受けづらいサービスなのです。
③活躍のチャンスの問題:限られた人しかなれない
心理カウンセラーの求人はそれほど少なくありません。
よく目にするものだと、心療内科やクリニックの求人があります。
地方自治体が学校カウンセラーや市役所の相談員を募集することもありますね。
こうして見ると活躍の場がありそうですが、実際はそうでもないんです。
求人によく記載されている要項を見てみましょう。
[募集要項]
臨床心理士・精神保健福祉士のいずれかの資格をお持ちの方
臨床経験〇年以上
臨床心理士というのは心理系の学部を卒業した人が取れる民間資格のことです。
受験資格を得るには大学院まで進学する必要があり、
心理系の学部出身でない方なら、資格取得に最低でも3年はかかります。
大学に入りなおす労力や授業料を考慮すると、社会人には取得が難しいです。
そうなると、ますますカウンセラーを目指す人は少なくなり、カウンセリングの普及も遅れるでしょう。
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【夜から大学院の勉強?!】社会人が臨床心理士を目指そうとして挫折した話
④カウンセラーの技術の問題:臨床経験が少ない
日本でカウンセラーになるのに資格は必要ありません。
臨床経験のない人でも今日からカウンセラーと名乗れます。
ここで問題となるのが、臨床心理士などの資格保有者がカウンセリングをする場合です。
上記の資格を取得するには臨床現場での実習が必要ですが、実績の有無は問いません。
つまり、カウンセリングの技術の低い人でもカウンセラーとして働いていることがあります。
(もちろん資格を持っていて、技術も素晴らしい方もたくさんいます)
アメリカの場合ですと、カウンセラーを名乗るには臨床経験が1000時間以上は必要なので、
1回1時間のカウンセリングだと、1000人以上は診る必要があります。
これほどの経験を積めば、その技術は間違いなく高いと言えます。
このようなカウンセラーの技術的な問題も、カウンセリングの普及を遅らせている一つの原因と考えられます。
僕が目指すもの
日本でのカウンセリングはまだまだ発展途上だと分かりました。
しかし、僕はこの現状を悲観的に見ているわけではありません。
悩みができたときに、ちょっと心の調子を整えるくらいの感覚でカウンセリングできるような社会を目指して、今後も頑張っていこうと思います。