「コンサル一年目が学ぶこと」は、アクセンチュアでコンサルティングを学んだ後に独立して、現在もコンサルタント業務に従事されている、大石哲之さんによって書かれた本です。
ずっと、コンサル業界の第一線で活躍している人です。
「コンサル一年目が学ぶこと」では、
「職業問わず、業界問わず、15年後にも役立つ普遍的なスキル」を「社会人一年目で学ぶような基礎的なレベル」から学べます。
私はこの本を読んだ時、大学院生の頃に先生から、
「研究者として、中途半端な仕事はするな」
と、怒られたことを思い出しました。
「プロフェッショナル」とは、どういうものか、どのように仕事に向き合うべきか、を再認識することができました。
本記事では、「コンサル一年目が学ぶこと」で紹介されている30のスキルから、私が伝えたい10のスキルを紹介します!
こんな方におすすめ
- 大学院で研究をしている方
- これから社会人になる方
- 仕事を通して成長したい方
「コンサル一年目が学ぶこと」で伝えたい10のこと
今回伝えたいことは、この10こです!
- 結論から話す
- 数字とロジックで語る
- 相手に理解してもらえるように話す
- 上司の期待値を超える
- 「考え方を考える」という考え方
- ロジックツリーを使いこなす
- 常に自分の意見を持って情報にあたる
- 最強パワポ資料作成術
- 喋らないなら会議に出るな
- 時間はお金と認識する
結論から話す
これは、どの仕事でも重要です。
結論から話すことで、「短い時間で相手に必要なことを伝える」ことができます。
だらだらと話すと、何が言いたいのか相手には伝わりません。
相手に伝えるときは、「PREP法」を使って話ましょう。
Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論の繰り返し
P:私はピザが好きです!
R:なぜなら、色々な具材が楽しめるから飽きない!
E:トマト、モッツアレラチーズ、バジルの定番マルゲリータや、ホタテやエビを使ったシーフードなど多くの種類がある!
P:だから、ピザは最高!
普段話す時も、質問に答える時もPREP法で話すと、いい練習になりますよ!
数字とロジックで語る
数字とロジックは万国共通です。
数字とロジックさえ正しければ、
- 1年目が経験豊富なクライアントと対等に話せる
- 国内外、文化の違い問わず、コミュニケーションができる
あらゆる人とコミュニケーションをとることができるようになります。
私も、海外の教授と英語でディスカッションする機会がありました。
そんなとき、私の拙い英語は役に立ちませんでした。
伝わってたのかすら分かりません。
役に立ったのは、パワポのスライドに書かれた結果の数字とロジックでした。
数字とロジックさえあれば、お互いの考えは伝わります。
経験の浅い若手こそ、数字とその根拠(論理)を大事にしましょう!
相手に理解してもらえるように話す
これは、大学院でもかなり口すっぱく言われたことです。
自分と相手の常識は違います。
そのため、自分の中では「当たり前」のことでも、一つ一つ丁寧に分かりやすく話しましょう。
目安は、「中学生でも分かる言葉」で話すことです。
本書のなかで紹介されているのは、こちらです。
- まず、論理の組み立てを、「相手は何も知らない」という前提で考える
- 相手の理解度を推し量りながら、話す
- 相手の仕草を観察して、理解度を察知する
簡単ではありませんが、相手の状況に合わせて、話すペースを変えられるとベストですね!
理解していないシグナル
- こちらが資料をめくって次に進んでも、まだ前の資料を見ている
- こちらを見ずに、隣の人の顔を見ている
- 「だいたいわかりました」「おおよそわかりました」など、曖昧な返事をする
相手の期待値を超える
「ビジネスをする上で一番大事なものは何か?」
この質問を多くのコンサルタントに質問してみたところ、全員一致で
「相手の期待を超え続けること」
と答えたそうです。
相手が何を、どのレベルまで期待しているかを見極め、絶対に外さない。
そして、相手の期待値のちょっと上を常に達成していく。
これは、ビジネスだけでなく、全てにおいて大事なことです。
- TwitterやInstagramで人気になりたい
- 好きな人に振り向いて欲しい
- みんなから一目置かれる存在になりたい
誰かに「認められる」ためには、相手の期待を超える必要があります。
「あの人ってここまでやってたんだ!?」
そう思わせたら、あなたの評価はうなぎ登り間違いなしです!
「考え方を考える」という考え方
仕事を進めるときには、いきなり作業!
ではなくて、「考える」ことから始めましょう。
答えを出すための「アプローチ」、「考え方」、「段取り」を考えてから上司や相手先に合意を取ったのちに作業を始めます。
そうすることで、より効率的に仕事を進めることができます。
家を建てるにしても、設計図もなしにいきなり大工に頼んでしまったら、大工の気まぐれハウスができてしまいます。
気まぐれで一生物の家を作られても困るので、
- デザイン
- 設計図
- 工程表
などをあらかじめ施主と相談する必要があります。
このように、前もって「答え」を出すためのルートを提示することで、相手との齟齬も無くなりますし、作業量の見積もりもしやすくなります。
- まず、大きな設計図を示し、手順についての合意を得る
- 手順に基づいて、細部の作業を進める
仕事は、この手順で進めましょう。
ロジックツリーを使いこなす
コンサルで学べることといえば、
- ロジックツリー
- 構造化
- 問題解決手法
といった、ロジカルシンキングや問題解決の手順です。
この中でも、視覚的に分かりやすいロジックツリーから学ぶことをおすすめします。
ロジックツリーとは
ロジックツリーとは、問題をツリー状に分解することで、原因や解決法を探すためのツールです。
ロジックツリーを身につけることには、4つのメリットがあります。
- 一生使える
- 全体が俯瞰できるようになる
- 捨てる能力が身に付く
- 意思決定のスピードが上がる
どの選択肢を選べば、効果的に問題を解決できるのかが可視化されるので、結果的に仕事が早くこなせるようになります。
ロジックツリーの基本は、コンサルティング会社に入らなくても本などで学べます。
参考図書
本書内で参考図書になっている、ロジックツリーなどの問題解決手法を学ぶ上で役立つ本を紹介します。
参考図書
「イシューからはじめよ」はレビュー記事がありますので、良かったら参考にしてください!
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【まとめ】「イシューからはじめよ」はプレゼンに役立つ本だった
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常に自分の意見を持って情報にあたる
20代の若い人ほど、情報を集めるだけで満足している人がいます。
- 年間100冊の本を読んだ!
- 新聞を毎日読んでる!
- 毎日ニュースサイトをチェックしてる!
- 有名な人のツイッターをフォローしてる!
情報を増やすのは、とても良いことです。
しかし、情報量を増やしたからといって、ビジネスの能力は上がりません。
ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えること。
考えることとは、自分の意見を持つことです。
情報に接するたびに、自分の意見を考えながら読みましょう。
本書で紹介されている「自分の意見を持つ方法」は、
答えを知る前に、1分だけ自分で考える時間をつくる
ことです。
自分の意見があるからこそ、学ぶことができます。
考えないと、情報を鵜呑みにするしかできなくなります。
正しいか、間違っているかさえも学べないのです。
自分の意見が持てるようになると、
「この結論はおかしい、根拠がない」
「その分析は一方向からしかしてない、偏っている」
など、考える力がつき、ビジネスの能力が上がります。
最強パワポ資料作成術
パワーポイントによる資料作成の技術は、仕事での評価を左右するほど大事な技術です。
パワポ作成技術で求められるのは、
- 論理・視覚ともに、わかりやすく作る
- 作成に時間をかけない
この2つです。
相手にわかりやすく伝えるのはもちろんですが、パワポ作成を短時間で終えるのも大切な技術です。
これは「手を抜く」という意味ではなく、「迅速に完成させる」ということです。
パワポにかける時間よりも、分析や調査など「考えること」に時間をかけた方が、いい結果が出せるからです。
コンサル流のパワポは、
- シンプルイズベスト
- ワンスライド・ワンメッセージ
が基本です。
これは、私の仕事である研究の分野でも同じです。
一枚のスライドで伝えることを一つだけに絞ることで、圧倒的にわかりやすくなります。
一枚のスライドには「根拠となる数字や事実 + 自分の主張・解釈」をセットにして作ります。
わかりやすい以外にも、ワンスライド・ワンメッセージには、次ようなメリットがあります。
- 聞き手が楽
- 相手の理解に応じて、スライドを飛ばすのも簡単
- 差し替えや再利用が簡単
パワポの技術があると、取引先や上司からも評価が得られやすいので、磨いておきましょう!
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いいプレゼンに必要な15個のコツ!スライドの作り方や構成について。
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参考図書
本書内で参考図書になっている、パワーポイントを学ぶ上で役立つ本を紹介します。
参考図書
喋らないなら会議に出るな
コンサルティング会社の価値観は、
「会議で発言しない人の価値はゼロ」
だそうです。
会議に出て発言しないのは、テレビに出演して喋らないゲストと同じで、価値はゼロ。
これは、黙っていては何も生み出せないからです。
間違ったことを言うのは怖いかもしれません。
というか、私も怖いです笑
でも、つまらない・間違った意見でも、自分なりに考えて何かを言った方が、いいんです。
社内会議であっても、参加している間は人件費が発生しています。
「自分の時間単価に見合った仕事をしているのか」という意識が、プロフェッショナルを形作るんだと思います。
時間はお金と認識する
Time is money.
学生の時は全く意識しませんでしたが、社会人になってからは、働いてお金をもらう生活が中心になるので意識させられました。
プロフェッショナルとそうでない人の違いは「責任感」だと思うんです。
営業の外出先で時間を潰すのも、楽で気分がいいんです。
でも、その休憩中にもお金は発生してるんですよね。
お金をもらうからには、その対価を払う「責任」があります。
その責任を常に意識しながら、仕事に当たるかどうかでプロとの差が生まれます。
これは、休憩をしてはいけないとか、無駄なことをしてはいけないとかの話ではありません。
最低限、「自分がプロフェッショナルであるように振る舞う」のが大事ということです。
無駄骨を折っても、ミスっても、非効率でもいいんです。
プロとしてコスト意識をもって、今のスキルで最大限の努力を示す。
時間が経つほどに、あなたの能力は上がっていくでしょう。
仕事も大学院での研究もプロであることを意識する
「コンサル一年目が学ぶこと」では、今回紹介したものの他にも、コンサル流の
学べること
- 話す技術
- 思考法
- デスクワーク術
- ビジネスマインド
を多く学べる本です。
仕事全般につながることが書かれているので、気になった方はぜひ一読ください!
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