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有機化学の教科書・参考書!大学生の独学におすすめの本を有機系院生が紹介!

有機化学を勉強したいけど、どの本を選べば良いか分からない方へ。

本記事では、これまで様々な参考書を読み、有機系研究室で大学院を卒業した私がおすすめの参考書を紹介します!

あなたに合う本が見つかれば嬉しいです!


有機化学のおすすめ教科書・参考書

ボルハルト・ショアー現代有機化学:一般的な有機化学を網羅

最新刊:ボルハルト・ショアー現代有機化学 第8版(全2巻)
レベル:(学部〜院試向け)
出版年:2019
サイズ:B5
ページ数:1744
カラー:フルカラー

ポイント

  • 有機化学の初学者〜院試まで使える便利な1冊
  • 図での解説が多く、反応機構も丁寧で有機反応の電子の流れを理解できる
  • 改訂が多く、常に最新の情報が載っている

僕が大学院入試で使っていた教科書です。

どれを買おうか迷った時には、ボルハルト・ショアーを選んでおけば間違いありません。

有機系の研究室を目指そうと思って、色々な参考書を読んだ結果、この本が一番分かりやすく丁寧な解説がされていました。

有機化学を学ぶには反応機構を理解することが大切ですが、他の本では省略されている所でも、しっかりと1から説明されているため初学者でも理解しやすいです。

また、章末問題も豊富でこれを一通り勉強できると、旧帝大レベルまで通用します。

章末問題を解く時は「ボルハルト・ショアー現代有機化学 問題の解き方」を併せて利用すると、より深く理解できます。


目次

ボルハルト・ショアー現代有機化学(上)

1章 有機分子の構造と結合
2章 構造と反応性
3章 アルカンの反応
4章 シクロアルカン
5章 立体異性体
6章 ハロアルカンの性質と反応
7章 ハロアルカンの反応

8章 ヒドロキシ官能基:アルコール
9章 アルコールの反応とエーテルの化学
10章 NMR分光法による構造決定
11章 アルケン:IR分光法と質量分析法
12章 アルケンの反応
13章 アルキン
14章 非局在化したπ電子系

ボルハルト・ショアー現代有機化学(下)

15章 ベンゼンと芳香族性
16章 ベンゼン誘導体への求電子攻撃
17章 アルデヒドとケトン
18章 エノール,エノラートとアルドール縮合
19章 カルボン酸
20章 カルボン酸誘導体

21章 アミンおよびその誘導体
22章 ベンゼンの置換基の反応性
23章 エステルエノラートとClaisen縮合
24章 炭水化物 自然界に存在する多官能性化合物
25章 ヘテロ環化合物
26章 アミノ酸,ペプチド,タンパク質,核酸


ジョーンズ有機化学:東大院を目指す人へ

最新刊:ジョーンズ有機化学 第5版(全2巻)
レベル:(学部〜院試向け)
出版年:2016
サイズ:B5
ページ数:1328
カラー:フルカラー

ポイント

  • 東大大学院を受けるならこの参考書
  • 電子点(:)を含んだルイス構造式で書かれていて、電子の動きが分かりやすい
  • ページの左右に有機化学のルールが細かく注釈されており、重要なポイントが分かる

ジョーンズ有機化学は、東大で有機化学の教鞭を取る中村栄一先生が監訳者の一人になっている教科書です。

そのため、東大での授業においてはジョーンズ有機化学が使われています

東京大学大学院を目指す方は、ジョーンズを使って勉強することをおすすめします。

特徴としては、全体を通して孤立電子対を点で表すルイス構造式が使われている点です。

これにより電子の動きが分かるので、反応がどのように進んでいるのかが一目瞭然になります。

また、重要なポイントが分かるように左右に「約束事についての注意」があるのも、独学する時に大いに役立ちます。

各章の最後にまとめがあり、そこで「重要語句」や「間違えやすい事柄」の復習できるため、すごく分かりやすい1冊です。


目次

ジョーンズ有機化学(上)

1. 原子と分子:軌道と結合
2. アルカン
3. アルケンとアルキン
4. 立体化学
5. 環状化合物
6. 置換アルカン類
7. 置換反応:SN2反応とSN1反応

8. 脱離反応:E1反応とE2反応
9. 機器分析
10. アルケンへの求電子付加反応
11. π結合へのさまざまな付加反応
12. ラジカル反応
13. ジエン類およびアリル化合物:共役系中の2p軌道

ジョーンズ有機化学(下)

14. 共役と芳香族性
15. 芳香族化合物の置換反応
16. カルボニル基の化学1:付加反応
17. カルボン酸

18. カルボン酸誘導体:アシル化合物
19. カルボニル基の化学2:α位の反応

20. 糖質
21. 生物有機化学
22. アミノ酸、ペプチド、タンパク質
23. 遷移状態における芳香族性:軌道の対称性
24. 分子内反応と隣接基関与


ウォーレン有機化学:有機系研究室に入るならこれ

最新刊:ウォーレン有機化学 第2版(全2巻)
レベル:(有機系研究室向け)
出版年:2015
サイズ:B5変
ページ数:1360
カラー:フルカラー

ポイント

  • 他の本では扱っていない分野があり、有機化学をより深く学びたい方向け
  • 各章をより理解するために巻末に参考書や原著論文が書かれている
  • ページ左右にある解説の専門性が高く、授業では習わないほど詳しい

大学レベルの有機化学の教科書で一番奥深く学べるといえば、ウォーレン有機化学に違いありません。

監訳者はノーベル賞受賞者の野依良治先生、反応機構についての本の執筆を多く手掛ける奥山格先生らが行っています。

目次の多さがとんでもなく、

  • ボルハルト・ショアー現代有機化学:26章
  • ジョーンズ有機化学:24章
  • ウォーレン有機化学:43章

ウォーレンが頭一つ飛び抜けています。

ページ数は大きく変わらないので、他の参考書に比べて内容が凝縮されており、多くを学べる分、難易度は高いです

野依先生が監訳者ということもあり、他の本にはほとんどない不斉合成や有機金属化学についても解説されています。

有機系研究室を目指す方にとってはバイブルとも呼べる本です。

NMRや立体配座解析、逆構成解析など有機化学の研究に欠かせない知識も学べるので、有機系を目指すならいつかはこの本で勉強しましょう。


目次

ウォーレン有機化学(上)

1. 有機化学とは何か
2. 有機化合物の構造
3. 有機化合物の構造決定
4. 分子の構造
5. 有機反応
6. カルボニル基への求核付加反応
7. 非局在化と共役
8. 酸性度と塩基性度
9. 有機金属化合物を用いる炭素-炭素結合の生成
10. カルボニル基での求核置換反応
11. カルボニル酸素の消失を伴うカルボニル基での求核置換反応
12. 平衡,反応速度,および反応機構
13. プロトンNMR

14. 立体化学
15. 飽和炭素での求核置換反応
16. 立体配座解析
17. 脱離反応
18. 分光法のまとめ
19. アルケンへの求電子付加反応

20. エノールおよびエノラートの生成と反応
21. 芳香族求電子置換反応
22. 共役付加と芳香族求核置換反応
23. 官能基選択性と保護基
24. 位置選択性
25. エノラートのアルキル化
26. エノラートとカルボニル化合物との反応:アルドール反応とClaisen縮合

ウォーレン有機化学(下)

27. 有機化学における硫黄,ケイ素,リン
28. 逆合成解析
29. 芳香族ヘテロ環化合物Ⅰ: 反応
30. 芳香族ヘテロ環化合物Ⅱ: 合成
31. 飽和ヘテロ環化合物と立体電子効果
32. 環状化合物の立体選択性
33. ジアステレオ選択性
34. ペリ環状反応Ⅰ: 付加環化
35. ペリ環状反応Ⅱ: シグマトロピー転位と電子環状反応

36. 隣接基関与,転位反応,および開裂反応
37. ラジカル反応
38. カルベンの合成と反応
39. 反応機構の決定
40. 有機金属化学
41. 不斉合成
42. 生命の有機化学
43. 有機化学のいま


マクマリー有機化学:生物系も同時に学びたい方へ

最新刊:マクマリー有機化学 第9版(全3巻)
レベル:(学部生向け)
出版年:2017
サイズ:A5
ページ数:1359
カラー:フルカラー

ポイント

  • 有機化学の基本を一通り学びたい方
  • 生化学の内容が多く扱われている
  • 定期試験対策にはピッタリ

マクマリー有機化学は多くの大学で使われている、一番メジャーな教科書です。

下巻がほとんど生体分子の内容になっているため、ガチガチの有機系の方には合わないですが、生化学寄りの有機を学びたい方にはおすすめです。

また、定期試験対策で勉強するなら丁度いい難易度だと思います。

「有機が専門じゃないけど、院試対策として有機も抑えておきたい」という目的ならマクマリーが良いでしょう。

サイズも他のものと比べて小さく、上中下巻に分かれているため、勉強したい範囲の巻だけ持っていくと荷物が軽くなります。


目次

マクマリー有機化学(上)

1. 構造と結合
2. 極性共有結合;酸と塩基
3. 有機化合物:アルカンとその立体化学
4. 有機化合物:シクロアルカンとその立体化学
5. 四面体中心における立体化学
6. 有機反応の概観
7. アルケン:構造と反応性

8. アルケン:反応と合成
9. アルキン:有機合成序論
10. 有機ハロゲン化物
11. ハロゲン化アルキルの反応:求核置換と脱離
12. 構造決定:質量分析法と赤外分光法
13. 構造決定:核磁気共鳴分光法
14. 共役化合物と紫外分光法

マクマリー有機化学(中)

15. ベンゼンと芳香族性
16. ベンゼンの化学:芳香族求電子置換
17. アルコールとフェノール
18. エーテルとエポキシド;チオールとスルフィド
19. アルデヒドとケトン:求核付加反応

20. カルボン酸とニトリル
21. カルボン酸誘導体と求核アシル置換反応
22. カルボニルα置換反応
23. カルボニル縮合反応

マクマリー有機化学(下)

24. アミンと複素環
25. 生体分子:糖質(第7版では,炭水化物)
26. 生体分子:アミノ酸,ペプチド,タンパク質
27. 生体分子:脂質

28. 生体分子:核酸
29. 代謝経路の有機化学
30. 軌道と有機化学:ペリ環状反応
31. 合成ポリマー


有機化学の理解を助ける問題集や参考書

上記の教科書で有機化学については一通り網羅はされています。

しかし、「苦手な範囲をより詳しく勉強したい」「実践的な演習問題をもっと解きたい」という方へおすすめの参考書を紹介します。


問題集:有機化学演習シリーズ

僕が大学院入試を受けた時に使っていた参考書です!

この有機化学演習シリーズでは、大学院入試で実際に出題された問題を解いていくので実践的な有機化学の力が身に付きます。


反応機構:演習で学ぶ有機反応機構

反応機構を学ぶなら、この本が最適です。

他の本では飛ばされているような部分がしっかり解説されているため、反応機構を論理的に理解できます。

各章の最初に例題とその解答があり、その後に演習という勉強しやすい形式の本です。

ただ、難易度は高いので、有機化学の教科書を片手に解くと良いでしょう。


人名反応;人名反応に学ぶ有機合成戦略

人名反応を学ぶならこの本が詳しくて一番分かりやすいです!

1つの人名反応につき見開き2ページで解説されていて、

  • 反応の発見の経緯と特徴
  • 反応機構
  • 合成への展開

が丁寧に書かれているので、反応する手順はもちろんのこと、この反応を用いた合成を行うにあたっての注意点を知ることができます。

今まで暗記で頼っていた部分を、頭で理解できた時の気持ちよさは格別です!

また、参考文献も載っているのもポイント高いです。


参考書をお得に買う方法

僕が院試を受ける時、教授に「参考書は買うべきですか?」と聞いたところ、

「参考書の金額で将来、何十年もより良い人生になるなら、それは買うべきでしょう」

と言われ、ものすごく納得しました。

でもそんなことを言っても、専門分野の参考書となるとなかなか良いお値段がするので、できれば安く買いたいですよね…!


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これらの参考書で有機化学を得意になろう

今回紹介した参考書は以下になります!(星は難易度)

有機系研究室に進みたい大学生ならボルハルト・ショアー

東大大学院など難関大学の院試を受けるならジョーンズ

有機系研究室へ行き、大学院でもゴリゴリ有機をするならウォーレン

普段の定期テストや1から易しく学びたいならマクマリー

を選ぶと良いです。自分に合った参考書を選んで、有機化学を得意になりましょう!

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