無機化学って、それぞれの章で内容が違いすぎて覚えにくいんですよね。
有機化学みたいに全てが繋がっていたら、まだ取り組みやすいんですけど。
しかし、無機化学のいいところは、
内容が一つ一つ独立しているせいか、大学院入試レベルではそこまで難問は出ないところです!
無機化学は日本史や世界史みたいなもんです。
数学が思考力を試す超難問作れるのに対して、日本史や世界史は超難問というより「知ってるかどうか」が重要となります。
つまり、無機化学の勉強では「いかに効率よく暗記をしていけるか」を突き詰めていくといいです。
この記事では、
- 無機化学の対策や勉強法
- 院試で実際に使ったおすすめの参考書
を紹介していきます!
私は、この勉強法で私立大学から旧帝に合格することができたので、参考になれば幸いです。
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無機化学の対策と勉強法
無機化学で大切なのは、
元素の性質と周期表の関係を覚えること
です!
電気陰性度やイオン化傾向、軌道論や磁性などは全て周期表を覚えることで、わかります。
でも、周期表を丸々覚えるのは、なかなかな重労働ですよね。
そこで、この記事の後半で周期表の覚え方について紹介しようと思います!
まずは、全体的な勉強法について見ていきましょう。
基本的な大学院入試の勉強の流れはこのようになります。
合格するための勉強法
- 教科書で全体を軽く勉強する
- 目指す大学院の過去問を解く
- 解けなかった部分を教科書で勉強する
- 演習問題に取り掛かる
- 過去問を解く
- 3から5をループする
- 過去問が全部解けたら、ひたすら演習
これは、どの科目の勉強でも共通の方法です。過去問を完璧に解けるようになるのが合格の近道です。
そして、無機化学の対策ポイントはこちら!
無機化学の対策ポイント
- 元素周期表は全部覚えておくのを推奨
- 周期表と元素ごとの性質について結びつけておく
- ネルンストの式など、計算が必要なところは十分に対策する
- 錯体の名前は日本語と英語で書けるように
- 電気陰性度などの傾向がある法則は言葉で説明できるように
無機化学は大学によって出題傾向が偏っているので、頻出問題の分野から順番に勉強するといいです。
これから、詳しい勉強方法とその時に使うおすすめの参考書を紹介します!
教科書でまずは全体を把握するのが大事
どの科目でも言えるんですけど、大学院入試の範囲は膨大です。
大学の4年間で習った内容が出るので、範囲もべらぼうに広くなっています。
そんな膨大な範囲を網羅してくれているのが、教科書です!
教科書を辞書がわりにして、過去問や演習問題を解いていくのが基本的な勉強法になります。
正直、無機化学の教科書は「シュライバー・アトキンス無機化学」を持っていれば十分です。
この本で、旧帝大レベルの大学院入試の問題なら解くことができます!
私もこの本を読んだ時に「これだ!!」と思って、無機化学のメイン教科書として使うことを決めました。
シュライバー・アトキンスの特徴は、
- カラーで分かりやすい
- 例題や章末問題が豊富にあるため勉強しやすい
- 大学院入試に必要な知識が網羅されている
- 内容が濃いがゆえに、説明が難しいところもある
- 熱力学や量子論は物理化学の予備知識が必要
こんな方におすすめ
- 一冊で無機化学の全体を詳しく知りたい人
- 例題や章末問題を解いて、一つずつ理解しながら進めたい人
無機化学があまり得意でない方や、もう少し優しい本で1から勉強していこうという方は、こちらの本で勉強してからシュライバー・アトキンスにいくといいでしょう。
この本は、初心者用ではあるのですが中身が濃く、読み終わる頃には無機化学の基礎の部分はすべて理解できるようになります。
私は有機系だったので、この本で1週間くらいかけて無機の基礎を学びました。
少し昔の本ですが、不朽の名著なのでおすすめです。化学の原則は変わりませんからね!
また、東大や京大を目指す方や、無機化学を得意科目にして院試に臨みたい、より深い内容まで理解して勉強したい、という方は「ハウス無機化学」を教科書として勉強するといいでしょう。
この本はシュライバー・アトキンスよりも詳しく掘り下げて解説されているので、本質から理解することができます。
よりレベルの高い教科書にもかかわらず、お値段がシュライバー・アトキンスに比べてお手頃なのもいいですね!
これらの教科書を使って、まずは無機化学の全体を把握しましょう。
目指す大学院の過去問を解く
教科書で基本が分かれば、さっそく大学院入試の過去問を解いてみましょう!
無機であれば、言葉さえ知っておけば解ける問題も多いので、人によっては結構解けるようになっているかもしれません。
過去問を一度解いてみて、まだ理解できていない分野が把握できればOKです!
解けなかった部分を教科書で勉強する
- 苦手な問題
- わからなかった問題
- わかってはいたけど、うろ覚えだった問題
このように、あまり解けなかった分野をもう一度教科書を使って、解いてみましょう。
シュライバー・アトキンスやハウスは辞書の代わりなので、見ながら問題に取り組むと、答えが書いていることが多いです。
苦手な部分を集中的に勉強することで、効率的に対策を進められまます。
演習問題に取り掛かる
より実践的な無機化学の問題を解くために、演習問題をこなしていきましょう。
演習問題は、3周〜5周やるぐらいのつもりで取り組むので、参考書は1冊〜2冊でいいです。
私が取り組んでいた2冊のうちの1冊は、「演習無機化学-基本から大学院入試まで」です。
2017年に第2版が発売されたんですね!
この本で、基礎を固めることができます。応用までは少し荷が重いですが、無機化学が得意でない方の1冊目の参考書として取り組みやすい良い本です。
なにより、問題が簡潔でスラスラ解けます。解説も丁寧なので、勉強するモチベーションを保つのに適しています。
シュライバー・アトキンスやハウスで勉強しようと思っている方は、参考書の代わりに章末問題を全て解くといいです!
シュライバー・アトキンスは下巻に解答が載っています。
解説まで知りたい人は、別冊の洋書を読むと考え方から詳細な答えが分かります!院試の英語の勉強がてら、読んでいました。
解説が間違えている部分もあるので、注意しながら読んでくださいね!
ところどころ間違っているせいで、より無機が鍛えられました笑
過去問を解きまくる
演習問題をある程度解いたら、
過去問をひたすら解きましょう。
過去問を解く時には、
- 時間配分
- 問題の傾向
- 自分の得意分野・苦手分野
- 捨てる問題
などを意識しておきましょう。そうすることで、本番でも冷静に問題に取り組むことができます。
【過去問 → 間違えたところを教科書 → 間違えたところの演習】を繰り返す
過去問だったらほとんど解ける!っていうぐらいこのサイクルを繰り返します。
私は、過去問を解くたびに、
- 終わるまでにかかった時間
- 点数
- 解けなかった問題とその分野
をノートの右上に書いていました。
10年分ぐらい解いていると、次同じ過去問を解くまでにかなりの時間が空いているので、
前に解いた時と比べて、どれくらい自分の実力が上がっているかの指標にしていました。
8割を安定して超えてくると十分だと思います。私の時は7割解いてたら、合格してました。
過去問が全部解けたら、ひたすら演習
過去問が十分対策できてきたら、より難しい演習問題をひたすら解いていました。
私が2冊目に取り組んだ参考書は、「無機化学演習-大学院入試問題を中心に」です。
この本は先ほど1冊目として紹介した「演習無機化学-基本から大学院入試まで」よりも、やりごたえのある問題が揃っています。
問題のクセもなく、解説も分かりやすいので、大学院入試はこれが解ければ問題ないでしょう。
無機化学だけでなく、分析化学も同時に勉強しないといけない方は、こちらで勉強すると効率がいいです。
周期表の覚え方について
結論から言うと、この曲を覚えてください!
TVアニメ「エレメントハンター」のエンディングテーマ
スイヘイリーベ~魔法の呪文~/かっきー&アッシュポテト
この曲は、歌詞の中で全ての元素が水素から順に出てきます。
それをそのまま覚えることで、周期表を上から順に書くことができるようになるんです!
ランタノイドもアクチノイドも出てくるので、素晴らしいです。ランタノイドの問題は意外と院試で出てきます。
移動中や暇な時に聴くことで、自然と周期表を覚えていきます。口ずさむのもおすすめです!
私は試験が始まると同時に周期表を余白に書いて、問題を解いていました。
めっちゃ便利です。
無機化学は記憶の積み重ね
無機化学は、覚えないといけないことが多い分、忘れるのも早いです。
復習はしっかりとするようにしてください。
また、教科書は無機化学の習熟度と目指す大学院のレベルによって選びましょう!
レベル別教科書
参考書はこちらがおすすめです!
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