私は現在、理系大学院(工学系)修士課程に通う大学院生です。
近年、大学院に進学する人は増えており、多くの方が「就職」か「進学」の選択を迷うと思います。
そこで不安になるのが、「大学院ってきついんじゃないの?」ということです。
今回は大学院に2年間所属している私の経験から、「どんなことが大学院ではきついのか」を紹介します。
さらに、今まさにきつい思いをしている方に向けて、これからするべき行動や考え方についてもお伝えできればと思います。
大学院はきつい?そうでもない?
結論から言うと、大学院はキツイです!!
ごく稀に、かなり楽な「ホワイト研究室」が存在しますが、基本的にどの研究室もきついです。
修士卒で就職する人はもちろんのこと、どんなに研究が好きな人、博士課程や教授になることを目標にしている人でも大学院がキツイことは変わりません。
では、実際どんなことがキツイのか。
理由は色々ありますので、次では私の経験も踏まえながら大学院のキツイコトを紹介していきます。
大学院のきつかった経験
私が大学院できつかったのは以下の4つです。
- 教授、助教授やポスドクからのアカハラ、パワハラ
- 研究がうまく進まない時
- 学会や学内発表のためのスライド等の準備や練習をする時
- 就活がうまくいかない時
教授、助教授やポスドクからのアカハラ、パワハラ
まず紹介するのは教授陣からのアカハラ、パワハラです。
どうして1番に書いたかというと、
- 自分自身もかなりアカハラを受けていること
- 大学院を途中でリタイアしてしまう原因の多くは教授陣からのアカハラ、パワハラ
だからです。
研究室に配属されると、基本的に教授や助教授などから指導を受けることになります。
これらの人がもし高圧的な人だったら、大学院生活はキツイです。
私の先輩は、研究の相談をしに行った時に「お前の顔も見たくない。出ていってくれ」と、高圧的な言葉を浴びせられていました。
また、私の同期にも、
「どうしてこんなこともすぐに出来ないのか」
「明日までに論文を6本読んでこい」
などのアカハラを受け続けたことで、2ヶ月ほど鬱状態となって学校に登校できなくなってしまっていました。
「大学院進学は遊びじゃない」
ということは誰しも分かっている訳ですが、理不尽に高圧的な態度をとられたり、キツイ言い方やプレッシャーをかけられ続ければ、病んでしまいます。
実は病んでしまうのは、「自分は大丈夫だろう」と思っている真面目な方に多かったりします。
教授陣の言葉を全て間に受けてしまう傾向があるからです。
教授陣はあくまで研究員であって、高校までの先生のような教育者ではありません。
正しいことを言っていない場合もあるため、あまり気にしすぎない方が心に良いです。
研究がうまく進まない時
研究がうまく進まないときも、かなりキツイです。
大学院は基本的に教授などから指示が出て、その指示に従って研究を行います。
そのため、定期的に進捗発表を行い、相談して進める必要があります。
大学院ではこれまで高校や学部時代とは異なり、答えが分からない難題に立ち向かっていますので、必ずしも上手くいくとは限りません。
成果が出ていなかったりすると、
「どんな顔して教授に報告すればいいのだろう。」
と悩んでしまいます。
自分の研究室では、先ほど紹介したようなアカハラが横行していますので、進捗が悪いと、
「なんでそんなに上手くいかないか理解できない。」
などのお叱りを受けるので、結果が出ていない時は焦ります。
研究が進まないことにより、卒業が危ぶまれることに恐怖も覚えます。
学会や学内発表のためのスライド等の準備や練習をする時
学会や中間発表、修論発表などの学内発表に出るときもキツイ思いをしました。
大学院では多くの方が学会発表を経験します。
また、学会に出なくとも、卒業要件として学内発表には出なければなりません。
学会発表は自分の研究を学外の人に紹介する大きな舞台ですし、誰もが簡単に出れる訳ではないのですごいことです。
学会発表では、事前にプレゼン用のスライド作成や、発表練習などの準備が必要です。
実はこれが結構大変です。
教授に何度もスライドを作り直しさせられたり、発表練習をしていても「この研究、結局よくわからないね」と言われたり。
なんてことがよくあります。
私の研究室では、発表前日の夜中(もう朝だったり)まで作り直しさせられるのが当たり前となっています。
直すだけならまだ良いのですが、「なんでこのデータしかないの?」や、「こんなんじゃ発表できないよ」など直前でも色々言われます。
出ない人の方が健康的に暮らしていて、なんのためにこんなに苦労して学会に出るのか分からなくなっていきます。
就活がうまくいかない時
最後に、就活がなかなか上手くいかない時はめちゃくちゃキツイです。
就活、研究とやることが増えてしまって、何から手をつけたらいいか分からなくなり、精神的に追い込まれてしまうことがあります。
自分の研究室では、就活を理由に研究を止めることは許されなかったので、時間を作って就活をするのがキツかったです。
「どうすれば研究と両立していけるのか」、「いつから就活をすればいいのか」などはこの記事もあわせて読んでみてください。
これまで、私が大学院でキツイと感じたことについてご紹介しました。
ここからは、「今まさに大学院がキツイと感じている人」がすべき行動・考え方についてお伝えします。
大学院がきついと感じる人がするべき行動・考え方
実際に大学院生活で悩んでいる方は、以下の3つを実践してみてください。
- 思い切って休む
- 信頼できる人や学内の相談室に相談する
- なんでもできると言わず、気楽に考える
思い切って休む
大学院がきつくて思い悩んでいる人は、思い切って何日間か休んでみましょう。
メールやラインなども遮断するといいと思います。
ずっと研究や教授などのことを考えていると悪循環で、さらに悩んでいってしまいますからね。
休んで好きなことに時間を費やしてみると、意外と悩みなんてどうでもいいやと思えてきます。
研究が上手くいかないのは学生ではなく、教授陣が適切な指導ができていない責任なのです。
信頼できる人や学内の相談室に相談する
休んでも良くならなかった場合は、信頼できる人や学内の相談室に相談をしてみましょう。
大学であれば学内相談室があるはずです。
そこにいる人はプロですし、悩みを抱えている学生は実はたくさんいるので適切なアドバイスを貰えます。
自分はそこに一度相談をしたところ、先ほど紹介した「一旦落ち着いて休んでみてください」
というアドバイスをもらい、「研究なんて気楽にできる範囲でやればいいや」という気持ちに変わりました。
なんでもできると言わず、気楽に考える
最後は、考え方についてです。
まず、みなさんは研究員ではなく、あくまで「学生」です。
研究が上手くいかなくてもその後、研究費が削られて、給料が減って、生活が苦しくなるわけではありません。
研究ばかり追い求める必要もないです。
無理な課題や要求をされたときはしっかりと、
「できません」
と言って、断りましょう。また、直接会うのが嫌であれば、メールなどでも構いませんからコミュニケーションは取っておきましょう。
きつい状況から抜け出すには、少しの勇気が必要。自分を助けてあげよう
大学院はきついことが多いです。
これから大学院に進学する人は今回紹介したことを踏まえて、研究室選びをしっかりと行うことをオススメします。
たった2年と思うかもしれませんが、2年ずっと苦労するのはかなりキツイです。
現在、大学院生で苦労している人は勇気を持って行動したり、考え方を変えてみてください。
必ずしも大学院を卒業しなければいけない訳ではないですから、たった一度の人生を大事にしてください。
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