「研究室をやめたい。つらい。」
こう思い続けている院生は少なくありません。
私も外部の大学院に進学した4月から、毎日毎日思い続けていました。
環境の変化や先生方との関係性、自分の能力不足など原因がたくさんあるのは分かっていました。
でも、1日や1週間なんかで変われないし、どうしようもなくて明日を迎えるのが辛い。
時には病んで、時には逃げ出し、時には開き直り。
自分を騙し騙し過ごしていたら、なんとか卒業まで辿り着いて、今では社会人となっています。
そして、社会人として働いていくうちに「当時の自分の目線」とはまた違った目線で物事を見て、考えられるようになってきました。
そこで、今まさに辞めたいと感じている方へ向けて、
- 当時の自分がやっていた、「つらい時の対処法・考え方」
- 今の自分が知った、「つらい時の対処法・考え方」
について綴っていこうと思います。
研究室をやめたい、つらいと感じた時に何を考え、どうやって過ごしたか
研究室を辞めたい、辛いと思うタイミングは色々ありますよね。
- 先生から理不尽で横暴なことを言われたり、指示を受けた
- 連日徹夜で作り上げたプレゼンが「全然ダメだ」と一蹴された
- 研究が全く上手くいかない・とんでもない失敗をした
- 研究室の人間関係がしんどすぎる
どんな状況・心情で感じたかによって私の気持ちの対処方法は違っていました。
これから、私がショックを受けた時に感じたことや、実践していたことを紹介します。
卒業後の未来を想像し、その準備を淡々とする
今の辛さを耐えた先に必ず訪れる、卒業後の未来の準備をしていました。
私は中堅私立から旧帝大院へと外部進学をしたので、卒業で得られる実績が非常に魅力的に感じていました。
「あと1年我慢したら…これから60年以上の人生ずっと国立院卒でいられる…」
日東駒専や産近甲龍学部卒から旧帝院卒は、院生ならあるあるですが、周りの人たちからの印象は段違いです。
今は泣いていい。辛くていい。でも、最後は自分を笑わせてあげよう。
そんな卒業後の姿を想像しながら、修論や就活の準備をしていました。
修士1年で「卒業の覚悟」を決められたら本当に強いです。
なぜなら、就活の準備に全力を注げるから。
研究室をやめたいと感じたことなく、日々を過ごす人に比べて、卒業後に意識を置いた人はモチベーションが段違いです。
「卒業後の自分を最大限幸せにする」という考えで、今この瞬間から真剣に就活を始めると確実に勝てます。
当サイトでは、院生へ向けた就活記事も多く扱っているので、ぜひ参考にしてください。
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絶対見返してやる…。反骨精神を持ち、悔しさを飲み込んで指摘された点を改善する
「全然ダメ。今まで何やってた?何言ってるか分からないし、やり直し」
「4年生ですらできてるのに、修士のお前が何でこんなこともできないの?」
「結果も出てないのに、もう帰るの?」
自分なりに全力でやっていても、一蹴されてしまう時も多々ありました。
そんな時は、「こいつマジで覚悟しとけよ。ぜってぇ結果でビビらせてボコボコに論破してやるからな」と反骨精神バリバリで、実験していました。
私が負けず嫌いなのもあって、「結果さえ出せば文句ないよな?あぁん??」と暗い感情をメラメラと燃やしながら研究や文献調査をしていると、自然と知識もつき研究も前に進みました。
がむしゃらに頑張っていると、時間が経つのが早く感じますし、結果が出ると先生の態度も変わるので意外とおすすめです。
恨みと寝不足でどんどん目つきが悪くなりますが…笑
体調には本当に気をつけてくださいね。研究なんかよりあなたの体が一番大事ですからね。
ストレス解消の場所・方法を意識して見つける
一日中研究室に縛られる大学院生活において、ストレス解消法を見つけるのはとても大事です。
思い詰めた時には、自分の全てを否定されている、自分の居場所がない、そんな気持ちになってしまいます。
でも、よく考えてみると「ただ、その研究室だけ」の話なんです。
研究室から一歩外に出るだけで、あなたを認めてくれる場所が数えきれないぐらいあります。
そんな自分の居場所を見つけて、日頃のストレスを消し去りましょう。
ちなみに、私はこんな感じでストレスを解消していました。
- 気心の知れた学部生の時の友人と遊びに行く
- 研究室の同期と卒業後の話や研究室の愚痴で盛り上がる
- ヒトカラで熱唱
- ハマっているゲームをひたすらやり込む
- 映画やドラマ、アニメを一気見する
研究室の同期の存在はかなり大きかったです。
先生にボコボコにされた時には励ましあったり、学食に残って卒業後にやりたいことの話など、バカ話をして笑えてたのが心の支えになりました。
落ち込んだ時は、「〇〇をする」と決めておくと良いですよ。
また、映画、ドラマ、アニメ一気見も別の世界に没入でき、笑えたり・泣ける作品なら見た後にスッキリしました。
学生ならAmazon Prime Studentが半年無料で使えるので、実験で疲れて家に帰った後や週末に見て笑ってました。
研究室をやめたいと思い続けた私が卒業して感じたこと
大学院を卒業して社会人を経験すると、学生時代では気づかなかった事実を知りました。
今研究室をやめたいと感じている方に、知っていて欲しいことを伝えます。
- 研究室は社会人の「基礎体力」をつけられる場所
- 研究開発職にこだわらないなら、研究を続ける必要は全くない
- 自分を変えるよりも、環境を変える方が幸せになる場合もある
研究室は社会人の「基礎体力」をつけられる場所
研究室での辛いことって、実社会でもたびたび起こります。
- 徹夜するほどの長時間労働
- 教授や先輩からの叱責、ハラスメント
- 努力し続けても出ない結果
でもこれは逆に言うと、「社会人に必要な体力が研究室で養える」ということです。
私が社会人になって感じたことが「なんて楽なんだ」でした。
研究室での辛さを経験した分、そこそこホワイトな企業に入るだけで、社会がぬるま湯に感じます。
ゼミや研究室を遊んで卒業した人が、「残業しんどい…上司に注意された…商品が売れない…」なんて言っている中、研究室を耐え抜いた人にとっては「その程度で辛いの?」と思えます。
上司への報連相なんて当たり前だし、結果がすぐ出ないのも当然。プレゼンは慣れてるし、残業なんて何時間でもいける。
そんな社会で通用する体力・精神力が鍛えられてたんだなぁ…と感心しました。
研究開発職にこだわらないなら、研究を続ける必要は全くない
当時の私は研究職になりたくて、辛さに耐えていました。
でも、実際に研究者になって、「自分の夢は研究者じゃないと叶えられない訳ではなかった」と気づきました。
そこで今一度考えて欲しいんです。
「本当に研究職・開発職じゃないといけないのか?」と。
もし、あなたの夢や将来の目標が研究開発職を選ばなくても実現できるなら、研究室をやめても叶えられます。
何もそんな辛い現状を我慢する必要は全くなくて、今からその夢を目指せば良いです。
私の友人にも院生の時に就活をして、内定もらって辞めていって、楽しく過ごしている人が多くいます。
「研究室は得られるものも多いけど、そんなに人生にとって大事じゃない」というのが私の結論です。
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自分を変えるよりも、環境を変える方が幸せになる場合もある
怒られたり、結果が出ないと、「あぁ…自分が悪いんだ、もっと頑張らなきゃ、自分を変えていかなきゃ…」と自分を否定してしまう方も多いです。
自分自身を変えるのは本当に大変ですし、変わるまで現実とのギャップに苦しんでしまいます。
だから、自分を変えるよりも、環境を変える選択肢があることを知っていてください。
そして、その方が幸せになる場合もあることも。
教授たちがいる世界って、頭がずば抜けて良くて、研究でめちゃくちゃ結果出してて、手技もバカ上手い集団なんですよ。
そんな「研究力」という一部の才能と運に恵まれた人と同じだけの能力をあなたに求めるのが、そもそもおかしいです。
あなたの才能・能力は別にあって、他の環境に身を置くだけでみんなから感謝される場所もあるはずです。
世界で活躍する一流のピアニストにはなれなくても、子供たちの好きな曲を弾ける素敵な先生にはなれます。
研究室に残るのも辞めるのもただの選択肢の一つ。あなた次第でどっちも正解にできる
研究室の時の私の考えと、社会人になって気づいたことを紹介しました。
今だからこそ言えるのは、研究室に残るのも辞めるのもただの選択肢の一つであることです。
どっちを選んでも、あなた次第で正解にできます。
私の同期も、学生の時には「あの先生のことは絶対に許さない」と言っていたのに、いざ卒業すると「まぁ、あれはあれで良かったんだよ」と丸くなってましたから。
喉元過ぎれば熱さを忘れる。とはよく言ったもので、今では残るのも辞めるのも地獄に感じるかも知れませんが、いざ覚悟を決めて進むと意外と気にならないものです。
もちろん、ハラスメント被害に遭っていたり、ストレスで身体に不調が出ている場合は今すぐ休んで、周りに相談しましょう。
もし近い人に言いにくいなら、私にご相談いただいても構いません。