「周りがみんな進むから」「就活はまだしたくない」
…そんな理由で理系大学院に進学し、気づけば就職活動の時期が近づいている…。
という方は多いと思います。
実は自分もそんな中の一人でしたが、幸運にもこのままじゃダメだと気づき、就活に真剣に向き合えました。
そして試行錯誤の結果、就活対策の大事な点をしっかり押さえることができ、第一志望の企業から内定を貰いました。
基本的に現在の日本では、理系の大学院生は就職活動に有利であることは間違いありません。
しかし、理系院生がよく陥りやすい失敗をしてしまうと、満足のいく就職活動ができなくなります。
もし、あなたが
「理系大学院に進めば、やりたいこともなんとなく決まって、なんとなく就職活動を終わらせて社会人になれる」
と思っているなら、要注意です!
そこで今回は、理系院生でこれから就職活動を行う人に向けて、自分の経験も踏まえながら、「失敗しない就職活動」について書きたいと思います。
この記事が皆さんの就職活動の手助けになれば幸いです。
就職活動に失敗しがちな理系大学院生の3つの特徴
就職活動に失敗しがちな理系大学院生には大きく3つの特徴があります。
-
理系院卒であるというブランド意識がありすぎる
-
就活と研究のバランスが悪い
- 特定の業界・業種へのこだわりが強い
この3つに当てはまる数が多い方ほど、注意してください。
まずはこの理系院生が就活で陥りやすい特徴ついて、分かりやすく紹介していきます。
理系院卒であるというブランド意識がありすぎる
一つ目の特徴は「ブランド意識がありすぎる」ことです。
理系の大学院に進んだ皆さんは、高校や大学時代に努力をして、進学された方がほとんどだと思います。
皆さんが優秀であることは変わりありませんし、理系大学院生が就職活動において有利なのも事実です。
就活もこれまでのように、「ライバルがいる競争」です。
ただし、就活は今までのように学力だけを測るテストでは無いのです。
もちろん、大学名や理系の肩書きがあれば、いわゆる学歴フィルターには引っかからずに優位に進められますが、それだけで内定を勝ち取ることは難しくなります。
なぜなら、就職活動では学力だけでなく、その人の人柄ややる気なども同時に見られているからです。
理系院卒だからといって、その肩書きに甘んじていると普通に落とされます。
これまでの受験とは全く異なることを忘れてはいけません。
就活と研究のバランスが悪い
二つ目の特徴として「就活と研究のバランスの悪さ」が挙げられます。
大学院の忙しさはほとんど研究室によって異なります。
皆さんの研究室は忙しいでしょうか?自分が所属していた研究室はいわゆるブラック研究室でした。
そのため、アルバイトもあまり出来ず、研究に追われる大学院生活だったため、就活とのバランスを取るのが難しかったです。
ブラック研究室でなくとも、就活と研究は忙しい時期が重なりがちです。
研究が忙しく、研究に集中するあまり就活がどうしても疎かになってしまうことが度々あります。
もしも、博士課程に進学すべきかずっと悩んでいる方は、今のうちに自分の将来についてきちんと考えましょう。
「就活を行うのか」、「博士課程に進学するのか」
その決断を先延ばしにするのは要注意です。
特定の業界・業種へのこだわりが強い
三つ目の特徴として「特定の業界・業種へのこだわりが強い」ことです。
理系大学院生の皆さんは研究を行なっている訳ですから、その専門分野に知識が長けていると思います。
しかし、それが就活において足かせとなってしまっている場合があるのです。
「大学院の経験を活かして研究テーマに関わる企業に就職したい」
「研究職や開発職に就きたい」
大学院で学んだ知識を就職に活かすことは大切ですが、特定の業界・業種にはじめから絞り過ぎてしまうと、自分の将来の道を狭めてしまいます。
また、1つの業界だけ受けて全て落ちてしまった場合、もう手遅れになってしまうケースもあります。
自分の周りには、
「鉄道業界に進みたい」
と、特定の業界のみしか見ておらず、色弱などが原因で全て落選してしまい、納得がいく就活をすることが出来なかった人や、
「自動車業界に進みたい」
と言っていた人は、「なんとなく自動車業界に進めればいいや」という気持ちで受けており、「どこかは引っかかるだろう」と就活をしていました。
しかし、なんと全てに落ちてしまい、夏ごろに急遽別の業界を見始めたために、満足のいく就活が出来なかった人もいました。
理系大学院生が就活で失敗、後悔しないための3つの対策
これまで、「失敗しやすい人の特徴」をご紹介しました。
ここからは、理系大学院生が就活で後悔しないための3つの対策をお伝えします。
- 就活を第一に、研究と就活の優先度を考える
- 特定の業界だけではなく幅広い視野を持つ
- 大学院のメリットを知って活かす
就活を第一に、研究と就活の優先度を考える
先ほども触れましたが、皆さんは博士課程進学と迷っているでしょうか。
もし、「博士課程に進学しない」と決めている方は、就活第一に切り替えましょう。
就活をすると決めたなら、もう皆さんは研究でご飯を食べていくわけではありません。
優先すべきは、「今の研究」よりも「将来の仕事に」ついてです。
私の所属していた研究室はブラックだったと言いましたが、同期の中には「就活に専念したいから2週間休みをください」と教授に頭を下げて、就活を行っている人もいました。
これはかなり勇気が必要であったと思いますが、将来のことを考えれば重要な選択だったと思います。
その同期は就活に専念したことで、第一志望の企業から内定を貰えていました。
特定の業界だけではなく幅広い視野を持つ
二つ目は「特定の業界だけでなく、幅広い視野を持つ」ことです。
これは非常に重要です。
就活の基本は幅広い知見を持って、社会の仕組みを知ることです。
まずは業界地図や四季報をなんとなく眺めるだけでもいいです。
そうすると、「この業界にもこの会社が関わっているのか」などが分かります。
企業研究を進めることで、企業は色々な業界と関わりながら成り立っていることを知れます。
多くの業界を見ることで志望先への理解を深めることができ、一見遠回りに見えても、内定に近づいていきます。
急がば回れです。
また、先ほども言いましたが、就活は慣れです。
本命の面接を一発本番で受けるのは、リスクが高過ぎます。
そのため、色々な業界を見て周り、興味のある企業にはエントリーをしておきましょう。
内定を持っているかいないかの違いは大きく、余裕を持って就活できるかどうかがその後の就活にも影響していきます。
できるだけ多くの業界や企業にエントリーすることが重要です。
大学院のメリットを知って活かそう
いろいろ説明してきましたが、結局、大学院生であるメリットを最大限活かすことが重要です。
大学院のメリットの一つ目は、「問題解決能力が身についている」ことです。
学部では基本的にインプットばかりですが、大学院では自ら主体的に考え、行動するというアウトプットの作業が多いです。
そのため、なぜ失敗したのか、改善するためにはどのような対策を講じるべきなのかなどの能力を身につけています。
就活の面接では、「論理的であるか」、「問題解決力があるか」などが問われています。
研究発表などの経験がある方は、より大きな力を持っているはずです。
大学院のメリットの二つ目として、研究室には同期や、就活を終えたM2の先輩がいることです。
就活は一人で行うものではありません。
研究室の同期と知見を広げるために話したり、ESや面接対策を同期や先輩に頼んで協力してもらいましょう。
お互いに意見を交換し、共有することで、一人で就活するよりも何倍・何十倍もの情報・経験を得ることができ、自分の考えのブラッシュアップもできます。
自分も同期や先輩にたくさん協力してもらって就活をしていました。
仲間だからこそ、近い研究を行なっているからこその意見やコメントをし合えると思います。
理系大学院生の肩書きに油断をせず、メリットを最大限活かしていこう
院生といえど、研究だけでは就活が上手くいく可能性は低いです。
就活の時には、
- 就活を第一に、研究と就活の優先度を考える
- 特定の業界だけではなく幅広い視野を持つ
- 大学院のメリットを知って活かす
以上のことを対策しながらESや面接に臨んでいきましょう。
皆さんの就活の参考になれば幸いです。