みなさん、修論発表のスライド作りで迷っていませんか?
スライド作りって意外と悩んで大変ですよね…。
しかし、大変だからといって、
「なんとなく伝わるように作ればいいか」
「いつも輪講や進捗報告でやってる感じでいこうかな」
もしこのように思っていたら要注意です。
実は、修論発表のスライド作りには守った方が良いポイントがいくつかあります。
本記事では、先日修論発表を終えたばかりの私が、特に気をつけたポイントを紹介します!
修論発表スライドを作る前の準備
初めに、修論発表スライドに取り掛かる前に必要な準備について紹介します。
発表スライドの作成は、パワポ等を開く前から始まっています!
多くの人が、「発表スライドを作るぞ!」となったら、パワポを開いてイントロなどを考え始めます。
しかし、いきなりスライド作りに取り組むことはオススメしません。
なぜなら、スライドを作る前の段階では、
- 自分が何を伝えたいのか
- 自分はどのような結果を持っているのか
- どのような論理構成が最適なのか
がなにも分かっていないからです。
アメリカ第16代リンカーン大統領の言葉に、
「木を切り倒すのに6時間もらえるなら、最初の4時間、斧を研ぐことに費やしたい」
という言葉があります。
スライドを作るにも、まずはスライドに落とし込むための情報を整理するのが大切になります。
スライドを作り始める前に、事前準備として次の3つのことに取り組みましょう。
- まず大きな紙にまとめる
- 「結果」から考える
- 発表条件をもとに構成を練る
まず大きな紙にまとめる
修論スライド作成の第一歩として、大きな紙に実験結果や、伝えたいことなどをまとめましょう。
これを行うことで、自分の思考を整理できます。
「自分は大学院の研究でどのような結果を得たのか」と思考を整理することで、論理的でストーリーのあるスライドが作れます。
「結果」から考える
思考の整理を終えたら、これまで得られた結果から考えて「自分が一番伝えたいこと」や「研究の成果は何なのか」を考えましょう。
これらが決まることで、イントロや背景などにどんなスライドが必要になってくるのかが自動的に決まっていきます。
発表条件をもとに構成を練る
発表条件とは、聴衆者のレベル感や発表時間などの修論発表の前提となる条件のことです。
聴衆者のレベルは、発表する舞台によって異なります。
例えば、修論発表であれば同じ学部や専攻で行うので、イントロの説明が少なくても理解でき、結果に時間をかけられます。
一方、学会であればさまざまな専門家が来るため、誰にでも分かるようにイントロに時間をかけます。
また、発表時間は発表が何分で、質問が何分なのかを確認しましょう。
発表時間によってスライドの枚数が変わってきます。
基本的には、スライド1枚につき1分と考えます。
多少の前後はありますが、発表時間が10分であれば、スライドは8〜12枚が通常です。
まずは、
- まず大きな紙にまとめる
- 「結果」から考える
- 発表条件をもとに構成を練る
これら3つを押さえてからスライド作成に取り掛かることをオススメします!
修論発表スライド作りのポイント
続いて、スライドを作る際に私が気をつけていたポイントを紹介していきます!
- スライド1枚に1つのメッセージ
- 大筋を説明したのち細かい説明をする
- 文字は大きく、少なく
- 色使いに統一性を持たせる
初めの2つは内容面、最後の2つは技術面のポイントです。
スライド1枚に1つのメッセージ
スライド作成の基本は「ワンスライドワンメッセージ」です。
スライド1枚につき、伝えることは1つに絞ることを心掛けてください。
1枚のスライドで多くの情報を伝えようとすると、聴く側は何が伝えたかったのかが分からなくなります。
1枚につき、1つのコンテンツくらいがちょうど頭に入ってくる内容です。
作り方のコツとしては、先にスライドのタイトルだけを作った後、スライドタイトルに沿った内容を作っていくと、話がブレない綺麗なストーリーになります。
大筋を説明したのち細かい説明をする
発表ではまず、大筋が何かを伝えましょう。
その後、細かな説明を行うと良いです。
また、重要な部分は詳しく、そうでない部分は簡潔に紹介するなどの説明量の強弱をつけるのもポイントです。
説明する量を考える時は、以下の2つを意識して作成しましょう。
- 発表は、大学院の研究でやったことを全て述べる場ではない
- 自分が知っていること = 他人も知っていることではない
自分からの視点ではなく、相手の立場に寄り添った内容にするのが大事です。
また、発表においては、
- 明らかになった「事実(結果)」
- その原因やその影響に関する「考察」
- それらを踏まえての「結論」
の3点が必要不可欠なのも忘れてはいけません。
文字は大きく、少なく
スライドの文字は大きく、そして出来るだけ少なくが鉄則です。
パソコン上ではよく見えていても、プロジェクターで映されると文字はかなり小さく見えます。
スライド比は対面でプロジェクターに映す場合は4:3、オンラインでは3:4か16:9がよく使用されます。
文字の大きさは20pt以上が基本。
16pt以下はスライド下部に書く参考文献紹介以外ではあり得ない小ささです。
また、フォントによっても大きさや太さが多少異なるので、どれが合っているか注意しましょう。
英語であればTimes New Roman を使用することが一般的です。
また、文字だけではなく、図形の線の太さなども微調整し、見やすい太さにしましょう。
色使いに統一性を持たせる
1スライド1分と考えると、聴いている方はほとんど文字を追えません。
そのため、スライドは出来るだけ色使いを統一して、視覚的に分かりやすくすることが大切です。
コツとしては、
- 重要な要素などは四角などで囲う
- 共通点のあるものは同じ色にする
- 複数を比較・対比するときは各々に色や図形を使用し、一目でわかるように
- 色は使いすぎない(3〜4色)
上記を心がけると見やすいスライドになります。
また、アニメーションは一見、見やすく、ポップな感じにできるため、好んで使用する方がいます。
もちろん視覚的に訴えるのには抜群なのですが、本番でうまく動かないことがあるのでおすすめはしません。
アニメーションを使用する際には必ず動作確認を忘れないようにしましょう。
スライド作りはいつから作り始める?
修論発表スライドは最低でも3週間前から作り始めましょう。
なぜなら、修論発表はスライドを作っておしまいではありません。
そこから教授に内容を確認してOKをもらい、発表原稿を覚えて、時間内に収める練習を何回もする必要があります。
スライドの内容(研究内容)はもちろん大切です。
しかし、練習を怠ってグタグタな発表となってしまうと、どんなに素晴らしい研究、素晴らしいスライドを作っても聴く側には何も響きません。
そのため、自信を持って話せるようになるまで練習を行うことが大切です。
上手く作れない時はどうすれば良い?
これまで研究を頑張ってきても、発表のスライド作りが思うように上手くいかず、悩んでいる方も多いです。
もしスライドが上手く作れないなら、早めに指導教員に相談しましょう。
悩んでいると修論発表まで時間はあっという間に過ぎるので、できるだけ早く相談し、どのようにまとめるべきかを聞くことが早い解決策です。
相談せずに自分だけで突っ走ってしまうと、ギリギリになって大修正をしなければならないリスクもあります。
研究室の同期は突っ走った結果、直前になって大修正をされて大慌てで作り直していました。
同期の場合は、「そもそも最初の目的からおかしい」と言われていました。
このようなリスクを回避する意味でも指導教員に相談しましょう。
ポイントを押さえて、評価されるスライドを作ろう
修論発表は最後の踏ん張りどころです。
ここの良し悪しで、これまでの努力が正しく評価されるかが決まります。
今回の記事を参考に良い発表になることを願っています。