理系大学生の2つ悩み。
大学院に進学するか、学部卒で就職するか
いわゆる国立や有名私大の理系学生だと、多くの人が院卒の資格を取りに行きます。
実際に、私が通う慶應でも7割の学生が大学院に進学しています。
しかし、そんな中、私は学部卒を選びました。
そして3年生の4月から就活を行い、翌年の2月には志望するコンサルティングファームから内定をいただけました。
今回は、理系学部卒で就職する道を選んだ私が、
「就職を選んだ理系学部生は、どのように就活を進めていくのか」
について解説していきたいと思います。
理系の私が大学院ではなく就活を選んだ理由
私が就活を選んだのは、
- 学部卒でも理系の強みを活かせる
- 研究に対して熱量を持てなかった
この2つの理由があったからです。
理系に進んでいると、「理系学生は大学院に行くのが当たり前」と考えている方も多いと思います。
私も、大学3年生になるまではその一人でした。
しかし、OB訪問や座談会でたくさんの理系学部卒の社会人の方とお話をする中で、学部卒であっても「理系である強み」を活かしながら多方面で働けることに気づきました。
また、自分自身がそれほど研究に対してあまり関心が持てなかったことも相まって、学部卒就活を決断しました。
私と同じ悩みを持つ方のお役に立てればと思い、大学院進学か、就活かを選ぶ上での私の判断軸をこれから紹介します。
「学部卒就活」と「大学院進学」を比較する上での判断軸
私はこの3つを軸に、学部卒で就活することを判断しました。
- 学問的な専門性を身に付けたいか
- 大学院の2年間の学費は確保できるか
- まだ学生として過ごしたいか
それぞれ、詳しい内容を書いていきます。
学問的な専門性を身に付けたいか
大学院では学部生時代と比べて、より専門的な知識を身に付けつつ研究を行うため、自らの学問領域において高い専門性が得られます。
2年間に渡って、がっつり研究に没頭できる期間は大学院ぐらいしかありません。
そうした意味で、自分自身の「研究意欲」と向き合ってみるのがよいと思います。
大学院の2年間の学費は確保できるか
大学院へ進学すると、人によっては学費や生活費などで2年間で300万円以上のお金がかかります。
修士だと2年間は研究活動に注力するため、学部生時代ほどアルバイトに専念できません。
したがって、かかる費用の多くを奨学金や親からの仕送りでまかなう必要が出てきます。
そうした支援を受ける体制が確保されているか、改めて確認してみましょう。
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まだ学生として過ごしたいか
これは学生のモラトリアムの延長を望むという意味ではなく、自由度の高い環境に身を置きたいかということです。
大学院に進学した人の中には、「まだ学生として色々なことにチャレンジしたかった」という人がいます。
社会人になると、多くの時間を「労働」に充てることになり、新たなことへのチャレンジが難しくなってきます。
したがって、学生という自由度の高い環境に身を置くことで、思い立った時に素早く新しい道へ進めます。
上記の理由から私は、大学院よりも学部卒の方がメリットが多いと考え、就活を選びました。
まずは、「本当に大学院が必要か」を考えて自分なりに答えを出しましょう。
理系学部生の就活の流れ
それぞれの判断軸で考え、学部卒を選んだ方へ向けて、理系学部生の就職活動で意識すべきポイントをまとめます。
参考になれば幸いです。
就活の流れをイメージする(3年4月~5月)
私は3年生の4月から就活を意識し始めました。
「3年生の4月から就活って早くない?」と感じる方も多いと思います。
しかし、ここ数年では、
- コロナウイルスの蔓延により「これから就活氷河期になるのではないか」という不安
- 「新卒一括採用」から「通年採用」へと時代が変化している
などの理由から、就活開始時期は大きく早まってきています。
こうした状況を踏まえて、学部3年の4月の早めから就活の大まかなスケジュール感を把握すると、今後の大きなアドバンテージになります。
また、就活の流れとは、大きく分けて以下の2つの流れに別れます。
- 興味のある業界の就活スケジュールの流れ
- 時期によっての授業の忙しさの流れ
興味のある業界の就活スケジュールの流れ
1つ目の就活の流れに関しては、自分の興味のある業界に関連した就職サイトの記事や、就職活動体験記などを一通り読み込むことで情報をインプットできます。
業界によって採用時期が異なる場合が多いので注意しましょう。
私は主に、
この2つのサイトで情報収集を行っていました。
また、自分の興味ある業界が見当たらない場合は、絶対内定という本をおすすめします。
私はこの本に書いてある通りに自己分析を進めることで、納得のいく自己分析ができました。
時期によっての授業の忙しさの流れ
就活は学業と両立させながら行う必要があります。
そこで、履修状況や実験の時期を考慮した就活プランを練って、どのタイミングで就職活動に時間を割けるか把握しましょう。
学部3年は、実験レポートや演習などに多くの時間を割かれます。
時期ごとの忙しさを推し量って、効率的に就職活動を進めましょう。
サマーインターンに応募&参加(3年6月~9月)
自分の興味ある業界を洗い出したら、まずはサマーインターンシップに応募します。
マイナビやリクナビの他、下記のインターンシップサイトで募集を探せます。
サマーインターンシップに応募&参加するメリットは、大きく2つあります。
- 業務を理解して、自分のイメージとのギャップを埋められる
- グループディスカッションや面接を通して、選考の練習になる
業務を理解して、自分のイメージとのギャップを埋められる
インターンでは実際の業務に近いワークや、現場社員の方から直にお話を聞けます。
それにより、自分の描くイメージと実際の業務内容のギャップを埋められ、後悔のない業界選びに繋がります。
少しでも興味がある業界のインターンには、積極的に参加してみましょう。
特に理系学部生の就職する業界は、自分の学問領域とは異なる場合がほとんどなので、「興味のある業界についてより深く知る」ことが院卒より重要になります。
グループディスカッションや面接を通して、選考の練習になる
複数DAYSのインターンでは、本番の就職活動さながらのGD(グループディスカッション)や面接が選考プロセスに含まれています。
これらの経験を今から積めると、自分の就活における課題が知れて大変有利です。
理系学部生は他の文系学生に比べ、GDに苦手を感じている人の割合が高いと感じています。
その理由は文系学生の多くは3年生からゼミに参加して、グループワークの経験を重ねているのに対し、理系学生は実験レポートや演習などの個人作業が多いためです。
したがって、理系学部生はGDなどのグループワークが選考に含まれているインターンに積極的に応募することをおすすめします。
選考を通してGDの経験を積む事で、GDの流れや自らの得意な役割を見出せます。
業界の絞り込み&秋冬インターンシップ参加(3年10月~1月)
夏のインターンで得られた業界のイメージをもとに、志望業界を絞り込んでいきます。
そして、志望業界がある程度固まってきたら、さらに秋冬インターンに応募しましょう。
秋冬インターンシップは早期選考に直結する可能性が高いです。
そのため、自己分析や面接対策など本選考さながらの準備をして臨みましょう。
私は志望業界を2つに絞り、毎週友人と模擬面接をして本番に備えました。
説明会・エントリー(3年2月~4年3月)
各企業で説明会が活発に行われる時期です。
企業の違いや具体的な志望動機を固めるために、できるだけ参加しましょう。
私は外資就活というサイトを使って、イベントや本選考情報をリサーチしていました。
面接(4年4月~)
いよいよ採用活動が本格化します。選考対策として次の3つに取り組みましょう。
- 徹底的な自己分析
- 企業理解を深める
- 想定質問のリサーチ
徹底的な自己分析
自分自身の強み弱み、学生時代頑張ったことなど、面接で聞かれる定番質問の対策として自己分析は大変有効な手段です。
自己分析には、先ほど紹介した絶対内定に加え、ストレングスファインダーの活用がおすすめです。
企業理解を深める
本選考ではこれまでのインターン選考と比べて、「志望動機」が重要視される傾向にあります。
「なぜこの会社に入りたいのか?」、「入社後どのようなキャリアを描いているのか?」などについて、自分の言葉で伝えられる状態を目指すと良いです。
そのためには、志望する企業の情報を効果的に収集する必要があります。
私は、
- 企業のIR情報
- openworkなどの口コミサイト
- OB・OG訪問
を積極的に活用していました。
想定質問のリサーチ
面接で聞かれる質問は毎年それほど大きく変わりません。
したがって、ワンキャリアやUnistyleなどにある面接体験記から想定質問をピックアップし、それに対する自分自身の答えを固めることが大切です。
対策し終えたら、あとは本番でこれまで培ってきた実力を発揮するだけです。
選考を通して上手くいった点、改善するべき点などを分析して、どんどんブラッシュアップしていきましょう。
自分のやりたいことを考えて、納得のいく決断をしましょう
本記事では、学部卒業後の進路に迷っている理系学生の方へ「学部卒就活を決断した理由」、「理系学部卒就活の流れ」をお伝えしてきました。
私自身、多くの人の話やアドバイスを取り入れて今の判断に至りました。
一人で抱え込まずに多くの人の話を聞いて、納得いく決断をしてください。