就職活動において面接は重要な鍵を握る要素です。
しかし、面接で意識すべきポイントがよくわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では就活生の方々に向けて、総合コンサルティングファーム内定者の私から、
面接通過率を上げるために必要な要素の一つである、「伝達力」を磨くための方法論についてお伝えしていきます。
面接通過率を上げるために必要な要素とは?
ここでは、面接通過率を上げるためにはどのような力を伸ばせばよいのか考えていきましょう。「面接力」は主に「分析力」と「伝達力」の2つに分解できます。
分析力
面接における「分析力」とは、
- 企業の情報から必要な要素を抽出する
- 自己分析を通して自身のことを客観的に認識する
これらの能力を指します。
「分析力」は企業研究や自己分析を重ねることで伸ばせます。
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伝達力
一方、面接における「伝達力」と聞くとイメージが掴みづらい方が多いと思います。
私を含め、周りの就活生を見ていると就職活動を始めたばかりの頃は、企業研究などの「分析力」ばかりを重視し「伝達力」をないがしろにしがちです。
そのため、これから主に「就職活動における伝達力の磨き方」に焦点を当て、話を進めていきたいと思います。
「伝達力」の定義
面接における「伝達力」とは、「面接官とのスムーズなコミュニケーションを通じて、自身の思考や感情を面接官にズレなく伝える能力」を指します。
こう聞くと、「それほど難しいことじゃないな」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、私が就職活動を始めた当初は年齢や属するコミュニティが全く異なる相手に対して、自分の考えや思いをズレなく伝えることに苦戦していました。
その結果、手ごたえを感じた面接でも良い結果を出すことが出来ませんでした。
「上手くいったと思っても蓋を開けると落ちていた」なんてことが多々あったのです。
そこで、自分なりに対策やトレーニングを繰り返しました。
すると、徐々に自分の思考や感情をズレなく伝えられるようになり、本選考の面接のフィードバックで「論理的表現力が非常に高い」と評価していただくまでになりました。
ここからは、私が面接通過率を3割から6割まで伸ばした「伝達力」を伸ばす2つのポイントを紹介します。
「伝達力」を伸ばすポイント
ポイント①:情報を構造化する
友達と会話しているとき、「長々としゃべっているけど、結局重要なポイントはどこ?」と感じたことはありませんか?
面接においても、面接官から聞かれた質問に迅速に答えようとしすぎると、情報が散らばってしまい「何が伝えたいのかわからない」という印象を与えてしまいます。
こうした状況を避けるために、面接では「情報を構造化する」ことが非常に重要になってきます。
「構造化」とは複雑な情報を分かりやすい要素に分解するプロセスを指します。
「構造化」のコツとして、面接で使える2つのフレーズを紹介します。
「結論から申し上げると、〇〇が挙げられます。」
これは結論ファーストを実現するためのフレーズです。
結論から述べることには、「話している内容の終着点を明確化し、内容にまとまりを持たせる」という役割があります。
「構造化」という観点では最もシンプルで効果の大きいフレーズと言えます。
私も「結論ファースト」の癖付けのために、友人との模擬面接では「結論から申し上げる縛り」を行っていました。
これによって、話す内容を一旦頭の中で整理する癖がつき、まとまりのある回答ができるようになりました。
「○○としては主にn個あります。」
これは情報を構造的に列挙するためのフレーズです。
始めに要素の個数を伝えることで、それぞれの要素の境界線をくっきり浮かび上がらせる役割があります。
また、聞き手(=面接官)側も、これから話されるトピックの全体像をイメージしながら論理を進められるので、伝えたい内容がブレることが少なくなります。
例えば、
「学生時代頑張ったことを教えてください」
という質問に対して、
「学生時代注力したこととしては、学業があります。~~。また、アルバイトでは学生リーダーとして○○に取り組みました。」
と答えると学業とアルバイトの境界線が曖昧になり、回答全体の構成が伝わりづらくなります。
一方、
「私が学生時代に注力したこととしては学業とアルバイトの主に2つです。1点目の学業に関しては、~~。2点目のアルバイトに関しては、~~。」
と最初に要素の数を挙げた上で答えることで、前者に比べて回答にまとまりが生まれます。
実際の面接の中で、要素の個数nが即座に思い浮かばない場合もあるかと思います。
そういった場合には、
「○○としてはいくつか理由(=要素)が考えられるのですが、まず一つ目に△△が挙げられます。」
と述べることで、個数の明示をせずとも思考を構造的に伝達できます。
ポイント②:情報の非対称性を解消する
自分と面接官の間で保有する情報に格差があることを「情報の非対称性」と呼びます。
自分の話を正しく伝えるには、情報の非対称性を解消するのが重要です。
テレビなどのメディアで活躍している芸人さんのエピソードトークを聞くと、知らない話題でも当時の状況が頭に浮かんでくるという人は多いのではないでしょうか。
彼らは伝えたい内容を理解するのに必要な情報や背景を明示しながら、トークを展開しています。
つまり、「話し手と聞き手の間で前提条件が共有されている状態」で伝えたいことを表現しているため状況が頭に浮かびやすいと言えます。
「初対面の相手に対して感情や思考を受け取ってもらう」という点において、芸人さんのエピソードトークと就職活動の面接は非常に類似性が高いです。
「情報の非対称性の解消」をしないまま話すと、面接官に伝えたい思考や感情が伝わらない(or誤った方向で伝わる)ことに繋がってしまうので注意しましょう。
続いて、「情報の非対称性の解消」の第一歩として面接で使えるフレーズを紹介します。
「前提からお話させていただくと、」
このフレーズは、これから自分が伝えたい内容を理解するために「必要な事前情報を明示する役割」を果たします。
例えば、
「サークルの新歓で30人の部員確保に向けて尽力した」
ということを伝えるために、事前情報として「サークルの規模感や雰囲気」などに軽く触れるといった感じです。
事前情報を明示しないと、自分が考えているエピソードのインパクトの大きさが十分に面接官に伝わりにくくなります。
面接官は「自分と会ったことのない年の離れた社会人」という認識を常に持ちながら、話を進めることが重要です。
まとめ
本記事では、面接通過率を上げるために必要な「伝達力」を伸ばすポイントを紹介しました。
自分の思考や感情を相手にズレなく伝える能力は日常生活でも非常に有効になります。
まずは、何でも試してみるという姿勢を大事にしていくのが良いと思います。
私は就活生時代、面接対策をしているときだけではなく、日頃から上記のポイントを意識しながらコミュニケーションを取ることで、「伝達力」を飛躍的に向上できました。
始めは苦労することも多いかと思いますが、粘り強く取り組めばきっとあなたの力になります。