研究計画書ってどう書けばいいのか悩みませんか?
「なんでもいいや!」と適当に書いてしまったら、いざ面接で突っ込まれた時に上手く答えられずに、点数が下がってしまうかもしれません。
研究計画書にも作成ポイントがちゃんとあります。
研究計画書を書く上で大切なのは、「自分が本当にやりたい研究と志望先が合致すること」です。
そうすることで、研究計画書がスムーズ書けますし、面接でも上手く答えられます!
今回は、実際に研究計画書を書いて大学院進学をした私が「研究計画書のポイント」をご紹介したいと思います。
最後まで読んでいただければ幸いです!
大学院入試で書く「研究計画書」とは
大学院入試での研究計画書とは、
「大学院入学後にどのような仮説をもって研究を行い、どのような社会的影響を与えられるかを簡潔にまとめたもの」
です。
大学院入試だけでなく、入学後の研究にも影響を与える研究計画書作成は、専門科目試験や英語の試験と同様に重要なものになります。
研究計画書を作成する時に考えたい6つのポイント
「研究計画書を作成しよう!」といきなり言われても、頭の中が混乱して「何から書いていいか分からない」という事態に陥ると思います。
だからと言って、混乱したまま適当に作ってしまうと、面接において自ら不利な状況に追い込むことになります。
研究計画書は、「面接で自分が何を伝えたいか」を導いてくれるお助けマン的存在です!
理論武装によってお助けマンの装備を強くすればするほど、どんな面接でも対応できる心強い味方になります。
次から理論武装をするためのポイントを紹介していきます。
① まず、興味のある分野の論文を読み漁る
まずは、興味のある分野の論文を読み漁りましょう!
現代では、様々な分野の論文が「Google Scholar」、「CiNii」といったサイトで閲覧ができます。
特に私はGoogle Scholarを多用していましたが、自分の興味のあるマニアックな分野でもばっちり出てきました!(非行少年や非行と家族の関連性、子どもの学習のメカニズム等)
自分が知りたい研究がヒットするのはもちろんのこと、自分が知らなかった研究も多く出てくるので、知見を広げるという意味でも大変お世話になったツールでした。
Google ScholarやCiNiiは学部生でも多用すると思いますが、大学院生になっても度々使用します。
研究計画書を作成するついでに、論文の探し方をマスターしておくとより良い大学院生活が送れると思います!
② 研究計画書のメインとなる論文を絞る
続いて、自分の研究のメインとなる論文を絞りましょう。
論文探しを始めて様々な論文に触れていくと、色んなことに興味をもってしまい、肝心の軸がぶれてしまうことがあります。
私も自分が興味のある論文を見つけては読んで、「もっと自分に合った論文が見つかるのではないか」とずっと論文探しの旅に出かけてしまっていました…(笑)
ただ、この論文探しの旅はすればするほど目移りします。
そのため、役立ちそうな論文が3~4つ見つかったら、先行研究を参考に自分の研究を考えましょう。
③ 研究の独自性と社会的意義と実現可能性を検討する
研究計画書をただ書くだけだと、誰でも出来ます。
しかし、大学院まで進んで研究するとなると、研究の「独自性・社会的意義・実現可能性」は非常に重要な項目になります。
大学院は新しい発見をするところです。
すでに誰かが研究をしている内容を、また研究するのは大学院に進学した意味を成しません。
まだ誰も行っていない研究を行い、成果を出し、社会的意義を見出すことが大学院生の最終的な目標だと私は思っています。
そのため、研究計画書には、
- なぜこの研究がしたいか、他の研究と何が違うか(独自性)
- 研究によって社会にどのような影響をもたらすか(社会的意義)
- 研究を実現するためのアイデア(実現可能性)
まで記入すると質の高い研究計画書になります!
④ 研究の目的を明確化する
私はこの「目的」を生み出すのが非常に苦手でした。
「こういう目的があるからこの研究をやりたい!」というよりは、「この分野に興味があるからこの研究をしたい!」という方が多いのではないでしょうか(私がそうでした)。
「ただこの研究をやりたいから書いているんだよ…」と思っていましたが、計画書なので、きちんと根拠をもって研究の意義を唱えなければなりません。
根拠を作成するためには、研究の目的と問題意識の結びつきを強くする必要があります。
常に、論文やニュース・新聞を見る際に研究のことを頭に思い浮かべて多角的な視点で見てみると、どの方向から攻められても納得のいく目的を生み出すことができます。
次に紹介する問題意識とセットで目的を書くと筋の通った計画書になりますので、ぜひ両方セットで検討してみてください!
⑤ 研究に関連する現時点での課題を明確化する
研究計画書を支える論文を読み込む際に、注意してほしいポイントがあります。
それは、「問題意識」です。
「その分野ではどのような問題を抱えており、どのように解決しようとしているのか」を考えることが、研究計画書を作成する上で重要なポイントになります。
研究計画書を作成する時には、「現時点での課題の明確化」をしましょう!
⑥ 研究の仮説や方法、結果を検討する
研究の仮説や方法、結果は大学でレポートや実験の壁を乗り越えてきた方なら、容易に想像できると思います。
簡潔に、
- 現時点での仮説
- どのような方法で研究するのか
- なぜその方法なのか
- 実現可能性はあるか
をまとめてみましょう!
ただ、簡潔にまとめるのは研究計画書のみです。
面接では矢継ぎ早に具体的な仮説や方法、結果について聞かれます。
そのため、大まかな仮説、方法や結果だけでなく、面接用により細かい内容について自分の中で検討しておきましょう!
面接では研究計画書についてどのように聞かれるのか
筆記試験は、知識を頭に詰め込めば合格を勝ち取れます。
しかし、面接では何を聞かれるか分からないので、研究を頭に詰め込むだけじゃなく、きちんと理解しておくことが大事です。
私が実際に経験した大学院の面接をもとに、研究計画書の重要性を見ていきましょう!
研究計画について実際の面接で聞かれたこと
なぜ、あなたはこの研究を行おうと思ったのですか?
この質問には、自分が学生時代に影響を受けたものをメインで話すと一貫性をもって話せます!
質問:なぜあなたはこの研究を行おうと思ったのですか?
解答例:私がこの研究を行おうと思ったきっかけは学生時代にあります。学生時代では~
この研究を行うことでどのような社会的意義がもたらされると思いますか?
大学院にとっては、「この研究をすることでどんな意義があるのか」という点を重要視しています。
この研究によって与えられる社会的影響について、面接で詳しく語れるようにしましょう!
質問:この研究を行うことでどのような社会的意義がもたらされると思いますか?
解答例:私はこの研究を行うことで、○○という社会的意義があると考えています。なぜなら~~
社会的意義は研究計画において重要なものとなっているので、四方八方から質問攻めを受けても答えられるようにしておきましょう!
研究計画書に書かれた手法・アイデアについて
研究が思い通りに進むための手法・アイデアはとても大事なことです。
心理系の院試では、統計手法についてよく問われます。
質問:この研究ではどのような統計を使用して、どのような結果を導き出そうと思っていますか?
解答例:この研究では、○○を使用し、~~という結果を導き出したいと考えています。
私が特に面接で詰められた項目は「どのような統計を使用し、その統計はどのような結果をもたらすか」でした。
突然具体的なことを聞かれると戸惑ってしまいますが、面接前に同級生から質問を教えてもらえたので準備ができました。
大学院に進学した先輩が身近にいる方は、あらかじめ質問を聞いておくと安心して面接に挑むことができます!
*私の場合は追加で、「もしこの研究に加えて対象者同士を比較するとなると、どのような統計を使用しますか?」と聞かれたので、自分の研究だけでなく、その学問の幅広い知識を身に付けて面接に臨むことをおすすめします。
研究計画書は早めに書くと後で楽できる
今回は、大学院での研究で大切になる「研究計画書」についてお伝えしました!
研究計画書に手を付けるのが面倒で、なかなか進められない方も多いと思います。
しかし、早めに対策をして質の高い研究計画書を作った方が、大学院の面接でも余裕をもって質問に答えられて楽ができます。
論文を読むのも時間がかかるので、計画的に書いてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!