文系に通っていると、
「文系だと就職に不利だ」
「文系だと潰しがきかない」
などと言われたことはありませんか?
特に、私と同じように文系で大学院進学を決めた人はより言われる機会が多いでしょう。
ですが、文系の大学院でも自分の好きな研究をして、成果を上げる、就職に活かしている方は多くいます。
私たちのように、文系大学院へ進学をした人はどの様に就職活動をするのが良いか。
そして、どのような点を強みとして持てばよいかを本記事では考えていこうと思います。
文系女子大学院生の就職事情
文系の院生は珍しいからこそ、企業は扱いに困っている
まずは、文系女子大学院生の少なさを見ていきましょう。
文部科学省による令和3年度学校基本調査では、大学院進学率は11.8%と発表されています。
大学院進学した11.8%のうち、理系は約78%、文系は平均して約22%であり、文系の方が圧倒的に少ないです。
そのため、世間では「院進学は理系がするもの」という風潮となってしまっています。
文系が院進学すると「学者にでもなるの?」と疑問に思われてしまうのが現状です。
加えて女性となると、マイノリティが加速する
さらに、全学生のうち大学院へ進学する男性は約14.2%、一方で女性は約5.6%と女性の院生はマイノリティであるといえます。
そのため、企業からも、
「文系大学院生が何をしているのか」
「女子なのに何のために大学院に進学しているか」
と文系の大学院に進む目的を理解していない方が多く、就職に不利であると言われる原因となっていると考えます。
文系院生で専門性を活かせるのは一握り
また、理系の大学院生に比べ、文系の大学院で学んだ専門性を活かせる場が少ないです。
企業側も大学院にまで進学して専門的な知識を身に付けた学生を「どのように活躍させてあげればよいか」悩ましいのです。
そのため、文系大学院生は、
“院生時代に研究したことを踏まえた上で一般企業への就職活動を行う”
もしくは、
“研究をしていく中で発見した自分の能力を活かせる場を探す”
のかどちらかに分かれ就職活動を行っていきます。
文系大学院卒女子は就職に不利なのか
理系の方が直接、製品や新技術に関わるため、即戦力になるのは事実
では、本当に文系大学院生女子は就職に不利なのでしょうか。
まず、文系理系で就職に有利不利と区別することが私は好みませんが、世の中では
「理系は就職に有利であり文系は不利」
だという声があります。
確かに、理系は院での研究を活かして社会に貢献するという視点では、就職してから即戦力となります。
文系院生に必要なのは「好きを突き詰めて成果を出す」という熱意
ただ、文系でも研究をしっかり行い、自分の好きなことを極めるために努力をしている人ももいます。
そのように考えると、文系理系だから就職に有利不利という話ではなく、
「自分が好きなことに対して頑張り続けて成果を出す」
ということが大切で、就活が上手くいく鍵になるのだと思います。
これは学問でも趣味でもサークルでも構いません。
自分が選んだ道を貫けるか
InstagramやTwitter、YouTubeなどのSNSによって多様な考え方や価値観が溢れているせいで、自分を貫くことが難しくなっています。
その分、「自分がこれだけは頑張った」というのを1つでも持っていると文系理系関係なく、有利になります。
大学院に進学して修士だと2年、博士も含むと5年間という長い期間1つのことを突き詰める機会があります。
そこで行う、「研究」に心血を注いで結果を論文として残すことも就職活動で評価されるには大事です。
そういう意味では、大学院に進学した意味を見出すためにも自分の研究テーマを極めることが就職活動での成功に直結するのではないでしょうか。
マイノリティは尖っているからこそ「強み」に変わる
考え方を変えると、大学院に進学する女子が圧倒的に少ないという点を強みにすることも可能です!
「やりたいことや学びたいことを途中で諦めて社会に出た」
「いずれは結婚して主婦になりたいから大学院まで進学しなくてもいいかな」
と考える女子は多いです。
そういった考えや悩みを持ちながらも、大学院に進学をすると決意した女子には、
「どうしてもやりたいことがある!」
「この研究をするために大学院に来た!」
という強い覚悟を決めて進路決定している子が多いので、研究意欲が高く熱意があります。
ジェンダーの壁にぶつかっても強い意志を持って大学院に進学したという点は、就職活動でもアピールできるところだと私は思います。
就職活動が成功するにはどうしたら良いか
学生生活のほとんどを研究で過ごす院生は、学部生よりも就職活動に時間を割くことが難しくなります。
そのため、時間に余裕をもって企業研究・自己分析を行う学部生と他の分野で差をつけて、アピールしなければなりません。
では、どのようなところで学部生と就職活動で差をつければよいのでしょうか。
大人と真剣に向き合った経験を活かす
それは、研究を通して培われた「大人とのかかわり方」だと私は思います。
もちろん、学部生であっても自分よりはるかに大人と関わっている方もいます。
しかし、文系の大学院には「一度社会人として働いたけど、ある分野で極めていきたいから大学院に入った」という方が多くいます。
その様な方と大学院で討論できることは、学部から大学院に来た学生にとって非常に刺激的な出来事であり、様々な視点から自分の研究に対して向き合えました。
また、社会人院生がいない研究室であっても、教授との関わりで「大人とのかかわり方」を学べます。
大学院に進学すると、私たちはまだまだ子どもだと思っていても、教授は同じ研究者として接します。
教授とともに1つの研究を進めることは大学院でないと経験できず、私たちだからこそ話せるエピソードになります!
面接で大学院生活について深堀をされた時の対策にも、自分の人生経験を豊かにするためにも、大学院生の間は色んな人と積極的なかかわりを持つようにしましょう!
文系大学院卒に求められる職業・専門性
私は、心理学を極めたいと思い、大学院で臨床心理学専攻を選択しました。
心理学では大学院へ進むと、以下の資格を取得できるチャンスがあります。
本記事の内容
- 臨床心理士
- 公認心理師
これらの資格は大学院でないと取得できないため、資格を活かした専門性をアピールできます。
しかし、人文学や哲学など、資格がなく成果が目に見えにくい分野は、自分で言語化する以外に専門性をアピールできません。
そのため、院生時代に多くの論文を執筆して言語化する練習を行ったり、学会への参加など目に見える成果を残して、大学院生でしかできない経験をたくさんして、学部生と差別化することをおすすめします!
「普通に卒業する学部生と、さらに2年間論文や研究を一生懸命頑張ってきた大学院生なら、大学院生を取るでしょ!」
と思ってもらえるような専門性を、院生活で身に付けることが就職活動のスタートになります!
目の前の課題に一生懸命になるのが就職への第一歩
ここまで、文系大学院生の就職活動について考えてきました。
大学院生として胸を張って就職活動できるように、まずは目の前の論文や研究を精一杯行うことが重要です!
そして、「大学院に進み、専門性を身に付けている君だから選んだんだ!」と企業側から言ってもらえることを目指して、ともに頑張っていきましょう!!
最後までお読みいただきありがとうございました!