数日後…
ついこの間までは毎日が楽しくて元気だったのに、今ではもう何も楽しいと思えなくてしんどい…
そんな経験はありませんか?
心当たりのある方は、もしかしたら双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
この記事では20代に多い心の病気である、双極性障害(躁うつ病)についてご紹介します。
双極性障害(躁うつ病)について
双極性障害(躁うつ病)とは、気分が高まったり、落ち込んだりを繰り返す病気です。
気分が高まった状態を「躁(そう)状態」
気分が落ち込んだ状態を「うつ状態」
と言います。
また、気分が高まった状態には2種類あり、程度に応じて「躁状態」と「軽躁状態」と分類され、
「躁状態」と「うつ状態」が繰り返されるのは「双極I型障害」
「軽躁状態」と「うつ状態」が繰り返されるのは「双極II型障害」
と呼ばれています。
うつ状態が悪いのはわかるけれども、気分が高まる躁状態って悪いことなの?と思われるかもしれません。
しかし、その気分の高まりが限度を知らず、周囲に迷惑をかけたり、自分を破滅させるような行動をする状態にまでなってしまうため、どちらも良い状態とは言えないのです。
この病気は、悩みの多い20代〜30代にかかりやすいことが知られています。
しかし、具体的な発症の原因は分かっておらず、どんな人でもなりうる病気です。
症状
これから、双極性障害の症状について紹介します。
うつ状態
うつ状態の主な症状は「抑うつ」と「興味・喜びの喪失」の2つです。
【抑うつ】
一日中、気分が落ち込んで何もする気になれない状態が何日も続く。
【興味・喜びの喪失】
全てのことに興味を失い、何をしても楽しい、嬉しいという気持ちになれない。
この2つのうちのどちらかの症状に当てはまるのに加えて、
- 食欲不振(食欲が無い または 量が増えた)
- 眠れない または 寝すぎる
- 話し方や動きが遅くなった、言葉が出ない または じっとできない、動き回る
- 疲れやすい、気力がない
- 自分を責めたり、自分に価値がないと思う
- 集中できない、考えがまとまらない、物事を決められない
- 死について何度も考える
大うつ病診断基準(DSM-5)より内容抜粋
この7つの項目のうち4つ以上の症状が一日中、2週間以上続いている場合はうつ状態と診断されます。
躁状態
双極性I型障害の躁状態では次のような症状が表れます。
- エネルギーに溢れて、気分が高まり元気になる
- 眠らなくても活動できる
- 自分が偉くなった気になる
- アイデアが次々出てくる
- なんでも出来る気分になる
- おしゃべりになる
- 怒りやすくなる
- 気が散りやすく、集中できない
- 浪費する
これらの症状が少なくとも4日以上続いている場合、躁状態と診断されます。
躁状態で表れるこれらの症状は、一見誰にでも当てはまることがありそうですよね。
しかしながら、普通の人がする行動の限度を超えた症状が出るため、周囲の人を困らせることになり、社会的信用を失う恐れがあります。
軽躁状態
双極性I型障害の軽躁状態では躁状態のように、周囲に迷惑をかけることは少ないです。症状は躁状態と似ており、躁状態よりも少し軽度な症状となります。
治療方法
双極性障害は単なる気持ちの問題ではないので、少しでも症状を感じる時は精神科の医師に相談しましょう。
治療方法は大きく分けて薬物療法と心理療法の2つがあります。
薬物治療
双極性障害には気分安定薬と呼ばれる薬が有効であることが知られています。
また、双極性障害はうつ病の症状が出ることがありますが、うつ病とは似て非なる病気です。
そのため、うつ病の薬を飲んでも効かないどころかさらに悪化する場合があります。
診断を間違わないように医師としっかり話し合った上で、適切な処置を受けるようにしましょう。
心理療法
双極性障害は心の問題だけではないので、カウンセリングだけでは治りません。
しかし、病気をしっかり理解することや、日々変わる心の変化を把握しながら治療がうまくいくように心のケアをすることが必要です。
そのために、医師から患者さんやご家族の方に向けて「心理教育」と呼ばれる、病気に対して適切な対応や望ましい接し方を身に付ける方法を教えてもらうことができます。
うつ症状のチェック方法
うつ症状については精神科医である John Rush が考案した、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)という方法で、セルフチェックすることができます。
うつ病の症状に心当たりのある方は一度お試しください。
チェック項目が16個だけなので、すぐに診断することができます。
医師に相談する際には、この結果を持っていくと良いでしょう。
悩みが多い20代でこそ、健康には気をつけよう
20代は若いということもあり、健康にはあまり気を使わない人も多いです。
そのため、知らず知らずのうちに双極性障害のような心の病気にかかってしまっていることがあります。
新しく学ぶことも多く、悩むことも多い20代だからこそ、体を大事にして健康に気をつけましょう!
○双極性障害について詳しく知りたい方にオススメの本です。分かりやすく、優しく解説されています。