「高校の時、物理が好きだった」
「物理が一番点数を取れた」
「苦手だけど物理を履修しないといけない」
「大学で物理の研究がしたい」
さまざまな理由で、物理を学ばれていると思います。
私は高校で物理が楽しくて、大学では物理学専攻に進学しました。
大学の物理で最初に学ぶのは「力学」です。
高校の時は結構得意だったので、「力学頑張るぞ」という意気込みで最初の授業に臨んだ記憶があります。
しかし、初日でそのモチベーションは打ちのめされました…。
それは、大学の物理が高校の物理とは少し異なっていたからです。
あなたも、もしかしたら同じような感覚を持っていませんか?。
今回はそんな私の経験から、大学物理が分からなくなってしまっている方に向けて、
- 大学物理が分からなくなる、つまずきやすいポイント
- 大学物理を学び直すための勉強法
- 初学者に向けたおすすめの参考書
について紹介します!
大学物理がわからなくなる、つまずきやすいポイント
では、どうして高校で得意だった人でも大学物理ではつまずいてしまうのでしょうか。
それは大きく分けて、
- 大学物理は物理じゃない
- 参考書選びがすごく重要
の2つの理由があります。
大学物理は物理じゃない
このタイトル、何を言っているのかと思ったかもしれません。
実は、大学の物理は物理というより数学です!
大学では、
数学は「哲学」、物理は「数学」、化学は「物理」
と言われています。
まずは、これまでの認識を改めることが必要です。
高校までは、公式を覚えてこの問題には「運動方程式」や「力学的エネルギー保存則」を使えば解ける!
といった形で問題を解いていた側面が強いと思います。
しかし、大学物理ではそれよりも根本的なことで、
「今まで覚えてきた公式は微分や積分で理解できる」
ということから始まります。
つまり、大学物理は暗記だけでは不十分なのです。
根本、本質を理解して解法に慣れることが必要です。
暗記だけでは不十分な例
私が大学生の子から相談を受けた際の、具体例を紹介します。
高校物理では「単振動」を学びます。
高校物理の教科書を見てみると、ほとんどの教科書で単振動は
x =Asinωt
と書かれています。
そのため、相談してきた大学生の子も「単振動とは x =Asinωt」としか理解していないんです。
すると、大学物理で出てくる、
初期位相I (0) = A
が加えられると、途端に解けなくなってしまいます。
x =Asinωt が x =Acosωt と変わることを理解できないのです。
なぜなら、「単振動 = x =Asinωt」と暗記してしまっているから。
このように、暗記に頼ってしまうと大学物理ではつまずいてしまうので、いかに暗記に頼らずに解くかが重要になります。
参考書選びが重要
2つ目のつまずきポイントは参考書選びの重要性を理解していない場合です。
大学から指定されている教科書・参考書は、通っている大学の教授が書いたものであったり、古くからある読みづらい本が多いです。
また、具体的な問題が載っているものが少なく、あまり身にならないものが多いです。
そのため、大学受験の際に取り組んだような勉強法ができ、しっかりと力をつけられる参考書選びが大切です。
実際に私が利用した教科書を含めて、おすすめの参考書は後半に紹介しています!
このように、大学物理を理解するには大学物理への考え方や参考書選びが重要です。
次からは大学でつまずいた時に、もう一度学び直すための勉強法を紹介します!
大学物理を学び直すための勉強法
大学物理でつまずいた際には、次の2つを実践してみてください。
- 数学を学び直す
- 参考書選びと活用法を見直す
数学を学び直す
これは先ほど紹介したように、大学物理では数学の知識が必須となります。
力学の最初の単元では、
微分・積分、外積、ベクトル
の知識が必須となります。
この辺りの数学の知識が怪しい方は、もう一度復習してみましょう。
参考書はこの辺りがおすすめです!
参考書選びと活用法を見直す
大学物理にはさまざま参考書があります。
大学生協の本屋に行くとたくさん置いてあると思います。
ここで参考書選びのポイントは「難しそうなものを避けること」です。
高校時代の物理に対するプライドは捨てましょう(笑)
選ぶポイントとしては「初めての」「入門」「基礎から」
のようなタイトルとなっているものを選びましょう。
まずは1から理解できないと、勉強もつまらなく時間も多くかかってしまいますので、最初は簡単で大丈夫です。
初学者向けのおすすめの大学参考書
ここでは物理の中でもメジャーな力学の参考書を紹介します!
- マセマ力学
- 力学(講談社基礎物理シリーズ)
マセマ力学
初学者の味方、マセマシリーズです。
問題は、指針が示されていて、解説が丁寧に載っています。
高校物理から大きく外れることもなく、高校から大学への架け橋となる参考書です。
大学入試参考書でも有名な数学のチャート式のような形式となっているので、比較的解きやすいと思います。
力学以外の参考書もおすすめなので、他の分野も苦手な方は併せて勉強すると良いでしょう。
力学(講談社基礎物理シリーズ)
次も有名な講談社の基礎物理学シリーズです。
まず特徴として、解説が詳しくてとても読みやすいです。
また、広い範囲を扱っている参考書なので、初学者には非常におすすめの参考書です。
この本を理解すれば確実に力学の基礎は固めることができます。
今回は2つ紹介しましたが、どちらか一方を使えば十分です。
本屋に行ってみて、パラパラと開いて確認してみてください。
もし、袋とじのようになっていてどうしようもない場合は、マセマシリーズに取り掛かると間違いありません。
授業に遅れていると感じたら、早めに対処しよう
今回は、大学物理(力学)でつまずいている方に向けて、ついていけない理由、学び直しのポイント、参考書を紹介しました。
高校までは得意だったのが、急に苦手となってしまう大学物理。
授業に遅れを感じたら、早めに対処しないとついていけなくなり、モチベが下がってしまいます。
参考書も買うお金がない!!
という方は、周りの友達や教授に教えてもらうようにアクションすることも良い対処法です。
最初から完璧に大学物理を理解できる人は多くありません。
今、物理が分からなくなり始めていても、正しく参考書を選び、勉強することで心配や不安は消えます。
私も物理学科で大学入学して間も無く、力学が分からなくなり焦っていましたが、しっかりと基礎から勉強し直したことで大学院入試にもびびることなく、理解できるようになりました。
ぜひ、焦らず頑張ってください!