ワンランク上の教科書で一番有名な「ウォーレン有機化学」。
その教科書の難易度は、有機化学をこれから学ぶ方にとっては難しすぎて理解できないレベルです。
有機化学の教科書レベルは以下を参考にしてください。
<研究・院生クラス>
マーチ、ケアリー、ウォーレン、大学院講義有機化学
<東大・京大院試クラス>
ジョーンズ、パイン、モリソンボイド、ブルース(洋書)
<旧帝大院試クラス>
ボルハルト・ショアー、クライン
<地方国立・私大上位クラス>
マクマリー、ブルース、ソロモン
<入門クラス>
ベーシック、ビギナー
ウォーレンは有機化学系の研究をしていく人が読むべき本で、それ以外の分野の方で院試対策だけであればマクマリーなど他の本でいいです。
本記事では、ウォーレン有機化学の難易度や勉強するべき人、よりやさしい教科書などについて解説していきます!
あわせて読みたい
ウォーレン有機化学のレベル
最新刊:ウォーレン有機化学 第2版(全2巻)
レベル:(院生向け)
出版年:2015
サイズ:B5変
ページ数:1360
カラー:フルカラー
「ウォーレン有機化学」は有機化学の教科書の中でも、頭ひとつ抜けた専門的な教科書です。
芳香族ヘテロ環化合物や有機金属化学など、他の教科書ではあまり扱っていない分野まで詳細に書かれています。
また、逆合成解析や反応機構の決定法といった、有機合成や反応開発を行う方にとっても有益な情報が掲載されているので、研究の助けにもなります。
この教科書が理解できると、院試の有機は怖いものなしです。
難易度も完全に大学院レベルなので、有機系研究室に進む方は挑戦してみましょう!
ウォーレンが難しすぎると感じた場合
ウォーレンが少しレベル高いなと感じた方は、より基本的なところから分かりやすく解説されている「ボルハルト・ショアー」もしくは「マクマリー有機化学」をおすすめします。
私が旧帝大院を受験した時は、教科書としてボルハルト・ショアーを使っていました。
色んな大学院の過去問を解いた感じでは、ボルハルト・ショアーの内容を理解していれば8〜9割は点数が取れたので、十分だと思います。
- ボルハルト・ショアー現代有機化学
- マクマリー有機化学
マクマリー有機化学はボルハルト・ショアーより説明が簡略化されている印象ですが、その分ペプチドや核酸など生化学の内容が充実した教科書です。
さらにレベルを上げるなら、洋書のマーチで勉強するといい
もし有機化学系の研究室でバリバリ実績を残したい、有機化学の知識をもっと深くつけたいという貪欲な方は「マーチ有機化学」を勉強しましょう。
有機化学の教科書の中でも最高と言っていいほど優れた本で、有機系科学者なら本棚に置いておきたい1冊です。
- March's Advanced Organic Chemistry
約600の有機反応について反応機構と反応の形式によって分類されており、反応に悩んだ時に読む辞書のように使えます。
ウォーレン有機化学の演習問題の解答書は洋書
ウォーレン有機化学の解答書は洋書になります。
洋書と聞いて気が引けるかもしれませんが、中身は一つ一つ丁寧に解説されているので、英語ができない私でも非常に読みやすかったです。
研究となると普段から英語に触れることになるので、英語が苦手な方は洋書で勉強すると苦手意識が克服されてきますよ!
- Solutions Manual to accompany Organic Chemistry
より詳しく有機化学を学びたい方におすすめの参考書
ウォーレンを教科書として勉強していて、より有機化学を詳しく学びたい方には以下の本がおすすめです!
これもこなしたら、確実に学生の中でトップクラスに有機ができる人になれます。
- 演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで
反応機構を細かく解説された良書です。
有機化学の教科書を読んだ後にこの本を勉強すると、反応機構が暗記でなく理論的に解けるようになります。
- 人名反応に学ぶ有機合成戦略
250の人名反応が名前順で並んでいるのでとても見やすく、ここまで人名反応を学べる本は他にありません。
反応と一緒に載っている参考文献も人名反応、天然物への合成適用例、さらにその関連事項に至るまで多数引用されているので、反応機構を学ぶのに重宝します。
もう少しやさしい教科書・参考書をお探しの方はこちらを参考にしてください!
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ウォーレン有機化学は院生レベルの高度な教科書
ウォーレン有機化学は有機系の方で、有機化学の教科書を1冊終わらせた後に学ぶべき教科書です。
院試の場合、ここまでの教科書を使わずとも高得点は取れるので、他の教科書で確実に理解を積み重ねていきましょう。
有機好きであれば、非常に面白い本なのでぜひ読んでみてください!
化学で院試を受ける方に向けて、私が現役の時に勉強した教科書・参考書を紹介していますので、こちらもどうぞ!