”貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。”
えっ、待って…全落ちしたんだけど……。
もしかして、俺やばい…?
修士2年の6月、私は就活で全落ちしてました。
「研究さえちゃんとしてたら、内定は出るよ」
あの教授の言葉はなんだったんだろう…と思いながら。
外部進学で周りに追いつくために寝る間も惜しんで、プライベートも犠牲にして研究を必死にやって、その結果これ??
この時になって初めて、研究だけやってても就活は全く上手いかないことに気づきました。
当たり前ですが、就活で上手くいくには就活をしないといけません。
しかし、就活はテストと違って点数が出ないので、
「自分が今どの立ち位置にいるのか」
が見えにくいです。
そのため、自分では頑張っているつもりでも、全然点数を取れていないことが多々あります。
自分の立ち位置を見誤った結果が全落ちです。
それに気づいてから、就活に対する考えを見直してしょぼいプライドも捨てて努力した結果、8月までに2社内定をもらえました。
本記事では全落ちを経験した私が、全落ちしてしまう原因やそこから内定を取った道のりをお伝えします。
なぜ、理系で就活全落ちしてしまうのか
全落ちした原因を考えてみたら、次の4つが浮かびました。
- そもそも就活をおろそかにして準備不足で挑んだ
- エントリーを絞りすぎた
- 自分の実力に合った企業を受けていない
- 相手の立場に立てていない
今の自分がどれかに当てはまっていないか確認しましょう…!
そもそも就活をおろそかにして準備不足で挑んだ
私の場合、まず完全に準備不足でした。
外部進学で焦っていたのもあり、毎日研究に勤しんで、本格的に就活を始めたのが2月からになってしまいました。
当時は他の研究室に友人もおらず、「研究室=自分の世界」だったので気づかなかったんですが、めっちゃ遅いんですよね!
当サイトの就活強者ライター達は、就活解禁する前年の6月からインターンなどに取り組んでいたみたいです。
取り組むのが遅かったのはもう仕方ないので「自分は他の人より対策していない」ことを自覚するだけで大丈夫です。
エントリーを絞りすぎた
エントリーを最初から絞りすぎるのも良くなかったです。
「エントリーを絞ると、1つ1つの企業研究に時間をかけれるのでより対策でき、内定率が上がる」
よく言いますよね、これ。
でも、それは"自己分析や筆記試験、面接の対策が十分できている人の場合"です。
エントリー絞ってるのでESは通ります。面接は行けます。
しかし、1次面接でボコボコにされて終わります(実体験)。
エントリーを絞りすぎたせいで全て本番になってしまい、練習不足で落ちました。
変にES通るので、面接で時間を取られて本当に時間の無駄でした。
最初は練習だと思って、色んな企業受けるのがいいですね。
様々な世界を見て視野が広がりますし、もしかしたらより自分に合う仕事が見つかるかもしれません。
目指す職種・業種が実は自分に合ってなかった場合が一番最悪です。
それを避けるために、自己分析が大事になってきます。
自分の実力に合った企業を受けていない
- 誰もが知っている一流企業に行きたい
- ニッチでも業界最大手を狙いたい
- 新進気鋭のベンチャーで活躍したい
多くの人は一度は憧れますよね。
学歴に自信のある人はプライドもあって無名企業を避けたり、反対に学歴コンプレックスがある人は一発逆転を狙ったりします。
もちろん、どんな人でもチャンスはあるのですが、全落ちした私は忘れていました。
ライバル達も超一流であることを。
もともと地頭が良く、学歴も一流の学生が全力で対策してほんの一握りの有名企業を狙ってくるのが就活です。
そんな激戦をかいくぐって内定を得るのは、並大抵の努力じゃできません。
自分の実力を正しく測る。就活はそこから始まります。
相手の立場に立てていない
内定を得る方法は、「企業の立場になって考えること」です。
企業が求めている学生像。それを突き詰めると、内定へと繋がります。
全然好みじゃないし、好かれようと努力もしてない相手から「付き合って!!」って言われても「あ、無理無理。ないわ」ってなりますよね。
相手の立場になって考えないと、独りよがりのワガママちゃんになってしまうんです。
就活でも全く同じなので、企業の好みを分析して自分を合わせるか、自分の性格・能力に合った企業を見つけるのが大切です。
全落ちを回避するために必要なこと
これまで原因を考えてきました。
それでは、続いてどうやったら全落ちが回避できるのかを考えてみます。
- 実力から逆算した企業選び
- 就活に対する考え方を変える
- 第三者の目で見てもらい、フィードバックを得る
- 日々の努力 ← ちょー大事
実力に見合った企業選び
今の自分の実力を客観的に見て、狙える企業を受けるべきです。
でも、万が一受かれば最高…!!という企業も残しておきたい気持ちもわかります。
なので、3段階に分けてエントリーすると良いでしょう。割合も書いておきますね。
- 内定の可能性が高い企業:1
- 自分の実力と同等の企業:2
- 内定が出たら最高!の企業:1
以下の記事では、22年卒の院卒ライターさんのリアルなエントリー数を解説してくれています。
私は20社くらい受けて全落ちしたのですが、企業選びで「企業が求める像」と「自分の性格・能力」をマッチするようにしたら、3社受けて2社内定をいただけました。
就活に対する考え方を変える
当たり前ですが、就活が上手くいくには「就活の練習」が必要です。
日頃の研究や部活、アルバイトを真面目にやってたら内定が勝手に降ってくるなんてありません(一部の超すごい人を除く)。
- 自分の性質を正しく認識する自己分析
- 筆記試験やSPIの勉強
- 印象のいい面接での受け答え
- 会社情報の整理、業界研究
- 就活におけるマナー・言葉遣い
などをきちんと自分に自信がつくまで対策をして、本番に臨みましょう。
どこかで甘えていた部分がある方は、一度心をリセットしてフラットな気持ちで就活に取り組むと結果がついてきます。
第三者の目で見てもらい、フィードバックを得る
自分を見つめ直すのと同時に、第三者からも見てもらいましょう。
ESの内容や面接での受け答えを見てもらったり、自分の就活の考えを聞いてもらったりすることで、改善できる部分が多く見つかります。
内定が出た友人でもいいですし、すでに社会人として活躍している方にお願いするのも有効です。
思っている以上に、自分の良いところも悪いところも本人が一番気づいていません。
何人かに見てもらって、みんなが「良い」っていうものは面接官から見ても「良い」ものになります。
日々の努力 ← ちょー大事
なんだかんだ、努力って大事だなぁって感じます。
絶対何が何でも内定取ってやる…!!っていう少し狂気じみた強い気持ちでやる方がいいです。
もちろん、不正とか悪いことは無しですよ。正攻法で「あらゆる手を尽くす」。
思いつくこと、できることは全てやった、それでもダメなら仕方ない。
そう思えるほどの日々の努力をしたからこそ、結果は実ります。
漫画「ブルーピリオド」の大葉先生のセリフ、"努力は運の幅を広げてくれるじゃないの"。
これは正にその通りだと思います。
何事も最後は運ですが、運ゲーだからといって諦めずに努力し続けたかどうかが、人生を左右します。
内定を得るために私がした行動
実際に、私が全落ちした後に取った行動のうち、
- 内定を得るのに必要だった
- 今までと明らかに手応えが変わった
と感じたことを紹介します。
就職エージェントをいくつか利用して、自分に足りないものを知る
めっちゃ為になったのがこれ。
これまでの私は、「友達に面接の受け答え見られるの恥ずかしいな…」なんて考えて一人でしか練習してませんでした。
それがダメだったみたいです。
もう藁にもすがる思いで、相談してみると「あ、今までのやり方って全然ダメだったんだ」って思い知らされました。
自分では大丈夫と思っていても、第三者から見ると想像以上にできてないんです。
それに気づいてから、何人かの人に相談してみて、「この人いいな」って思えた方からアドバイスや求人情報をもらいながら就活をして、無事内定につながりました。
今まで誰かのフィードバックを受けて来なかったのなら、絶対見てもらった方がいいです。
就職相談ができるサービス
- キャリセン就活エージェント:6万人以上が利用
- キャリアパーク:昨年1000名以上内定
- アカリク:院生特化、院卒のアドバイザーが在籍
企業が求める人物像から逆算して、強み・エピソードを考える
あと心掛けたのは、「企業が欲しい人材に見えるように話す」ことです。
企業によって、アイデア力のある人、コツコツ努力できる人、リーダーシップをとれる人など、欲しい人はバラバラです。
なので、企業研究やOB訪問、内定者の体験談などの情報を分析して「どんな人が欲しいのか」を掘り下げました。
そこから、「企業が求めている人材」に見えるように、ガクチカや長所などのエピソードを練りました。
もちろん、嘘はダメです。自分の経験を色んな角度から見ることで、PRポイントが変えられます。
例えばガクチカを、
「テニス部で地区大会に入賞した」
とすると、
- 強くなるための日々の練習・習慣を心がけた:コツコツ努力型
- 部全体の士気を上げて練習の質を上げた:リーダーシップ型
- 過去に優勝したチームの練習法を取り入れた;アイデア型
など入賞までの道筋の視点を変えることで、自分の強みが変えられるんです。
実際には色んな要素が合わさった結果の入賞だと思いますが、1つにフォーカスして伝えるイメージです。
このようにエピソードを企業ごとに変えてから、面接突破率がグンと上がりました。
希望を下げてでも、「自分に合う企業」を探してエントリー
やっぱり、大企業で勤務地が東京の都市部で、転勤がなく、給料も業界では良い方。
そんな、みんなが一度は描く贅沢な夢は、もう捨ててください。
自分が最低限許せる条件で探しましょう。
ちなみに私の場合は、
- 製薬の研究職
- 都市部に近い
- 疾患領域が希望に合う
この3つだけ希望に沿うようにして、福利厚生や給料、企業規模は度外視しました。
周りからみて「いいな」と思われるところでなく、「自分がいいな」と思える企業を選びましょう。
背伸びをせずに等身大の企業を選ぶと、ちゃんと内定は取れます。
募集してなくても、採用担当者に聞いてみる
私が内定を得た最後の技は、
「直接採用担当者に聞く」
です!
私は募集が終わった後、もしくはそもそも希望の職種を募集していない企業でも、どうしても受けたいと思ったら説明会で「面接してもらえませんか?」と聞いたり、メールで連絡を取っていました。
そして、募集をしてなかった企業にメールで問い合わせた結果、なんと特別に選考してもらって内定までいただけました。
就活は行動したもん勝ちです。
内定のためにどれだけ行動できるか、それが自分の可能性を大きく変えます。
これら紹介した私の対策が、あなたの就活の一助になれば幸いです。
自分を知り、相手の気持ちを考えるのが内定への第一歩
就活で全落ちする人は珍しくありません。
なにせ、初めての経験ですから仕方ないです。
大事なのは、「今からどれだけ行動するか」です。
自分の現状を把握し、第三者からのフィードバックを得て、自分と求める人材像が一致する理想的な企業を見つけ、この難局を乗り越えましょう。