大学院入試って高校や大学入試とは違って、進学するのが一部の学生だけです。
そのためか、受験の雰囲気がなくて「いつから勉強を始めればいいのか」が分かりにくいんですよね…!
私も外部受験をした時は、周りに院試を受ける人が少なかったので不安でいっぱいでした。
院試の対策方法は人それぞれではありますが、合格している人はおよそ次の時期から勉強をしていました!
【試験日が7、8月の場合】
- 内部進学:院試の3ヶ月前から(4年生の5~6月)
- 外部進学:院試の6ヶ月〜1年前から(3年生の8月〜2月の間)
私は取り組むのが遅く、半年前から勉強を始めてなんとか旧帝大院にギリギリ合格できました。
本記事では、内部進学と外部進学の勉強時間の違いや、私が院試を受けた時の勉強スケジュール・勉強時間について詳しく紹介します!
大学院を目指す方のお役に立てれば幸いです。
\大学院進学のイロハ/
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大学院とはどんなところ?選び方から研究室訪問、入試対策までの概要を紹介!
内部進学の場合は院試の3ヶ月前から
基本的に内部進学生は外部進学生よりも、有利に院試を進められるので4年生の6月から3ヶ月ぐらいで対策する人が多いです。
内部生が有利な理由はいくつかあり、以下が挙げられます。
- 合格してきた院生の先輩にアドバイスをもらえる
- 院試の問題が授業で習った範囲から出ることがある
- 研究室で受け継がれてきた過去問集や解答を持っている
- 他大学から受験する外部生と比べて、基礎力がもともと高い
院試では内部生の方が持っている情報量と勉強の基礎体力が高いので、短い期間でも合格まで持っていけます。
6月、7月から院試のための対策期間として、研究室が休みになるところもある
東大・京大をはじめとした旧帝大などの上位校では、院進学する学生が多いため研究室で勉強期間が設けられていることがあります。
もともと優秀な学生に十分な勉強時間が与えられるので、めちゃくちゃ勉強してきます。
授業ノートや過去問&解答など積み重ねてきた情報量が多い
内部生はこれまで3年間学んできた授業ノートと、先輩が積み重ねてきた過去問&解答セットがあり、情報量が圧倒的に多いです。
院試の解答を知る術って自分たちで解く以外には無いのですが、内部生だと過去問が研究室内で流通していて、みんなで解いた解答も手に入れられます。
さらに、院試の問題を作るのは各分野の先生方なので、過去の授業で見たことあるような問題が出ることもあります。
そのため、問題の傾向が掴みやすく、効率的に勉強できるんです。
合格に必要な時間の目安
3時間/日 × 90日 = 270 時間
おおよそ300時間前後と考えておきましょう。
1日3時間としたのは、大学院にもよりますが解答時間が2時間以上ある試験もあるので、過去問を一周するのに3時間くらいかかるためです。
英語も勉強する場合、上記に加えて英語の分でさらに時間が必要なので注意してください。
勉強のスケジュールは以下のようにすると、短期間で実力がついて良いです。
6月:過去問で実力試し → 教科書で基礎力向上
7月:教科書と演習書で応用力をつける
8月:過去問を7〜8年分と解けない問題の復習
過去問をベースに勉強して、出題傾向と本番形式に慣れるように意識しましょう。
また、先輩方は院試を乗り越えてきた人なので、勉強法などアドバイスを積極的に聞いて、コツを教えてもらいましょう!
外部進学の場合は院試の6ヶ月〜1年前から
外部進学を目指す方は、院試の6ヶ月〜1年前から少しずつ対策をすることで、合格へと近づきます。
内部生よりも多くの時間が必要なのは、次の理由からです。
- 志望大学院の院試経験がある人が周りにいない
- 研究室訪問などの情報収集に時間がかかる
- 学んできた内容も違うので、基礎力が不足している
- 一緒に学ぶ仲間が少ない
外部生は同じ大学院を目指す人が少ないために、情報量も少なくなってしまい、自分で集める負担があります。
また、一緒に院試勉強をする仲間も少ないので、モチベーションも保ちにくいです。
そのため、外部進学を目指す方は事前の準備に時間をかけて、万全を尽くしましょう。
院試は情報戦なので、研究室訪問で過去問と解答を入手すべし
研究室訪問は早めに行くとメリットが多いです。
- 研究室の教授との相性や、自分のやりたい研究ができるか、などの志望理由をじっくり考えられる
- 研究室の先輩から過去問や解答がもらえる
- 実際に合格後の姿が想像できて、モチベーションに繋がる
特に、過去問の解答は「早いもの順」です。
8月に院試を終えた4年生は自分で解いた過去問を持っているので、院試直後の9月に研究室訪問をするとそのまま過去問と解答をもらえる可能性があります。
私は3月に研究室訪問をしていたせいで、「あ、過去問の答えは前にきた子にあげちゃった…」なんてことに度々なりました。
研究室訪問ってどうすればいいの?という方は、こちらを参考にしてください!
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同じく外部大学院を目指す友人と一緒に勉強する
外部大学院を目指す仲間と一緒に勉強できると、モチベーションが続いて集中できます。
意外とこれが大事で、一人だと怠けたり難しい問題でつまづいてやる気が無くなったりします。
でも、目の前に勉強してる人がいると、「あぁ、自分もやらなきゃな」って気持ちにさせてくれるんです。
お互いにわからない部分を教えあったりすると、問題の理解度も上がって効果的です。
合格に必要な時間の目安
2時間/日 × 270日 = 540 時間
外部進学の場合はモチベーションとの戦いでもあり、周りに受験の雰囲気がない状態から勉強を始めないといけません。
最初のうちは研究室訪問や普段の研究などで勉強時間があまり取れないため、平均2時間として計算しています。
「内部生の倍は勉強してやる!」という心構えで挑みましょう!
また、理想的なスケジュールはこちらです。
- 3年生
9月〜3月:志望大学院選びと研究室訪問、教科書で基礎強化、TOEIC・TOEFLの勉強 - 4年生
4月:過去問の解答作り
5月:教科書で基礎力向上
6月:教科書と演習書で苦手克服
7月:過去問7〜8年分繰り返し
8月:過去問と応用演習書で仕上げ
3年生のうちに、研究室訪問や過去問入手などの情報収集は終えておきましょう!
後になるほど、私のように勉強時間が取れずに慌てることになってしまいます…!
TOEIC・TOEFLは4年生の院試直前で受けるのはリスクが高いので、前もって3年生で十分な点数を取っておくと安心です。
私が院試に合格した時のスケジュール
私は中堅私大から旧帝大院に進学したのですが、決心したのが遅かったのでカツカツのスケジュールでした。
- 3年生
2月:外部進学を決心。情報収集して志望校を絞る
3月:研究室訪問と過去問集め - 4年生
4月:研究室訪問しつつTOEIC受験、教科書で基礎勉強
5月:志望校決定(TOEICは要らなかった)、過去問解答作り
6月:教科書と演習書で基礎固め、専門英語勉強
7月;苦手分野を教科書と演習書で克服
8月:過去問と演習書の繰り返し
3〜4月にいくつかの研究室にアポを取って、研究室訪問をしながらTOEICの勉強をして、4月のTOEICでなんとか650点を取りました。
5月に志望校を1つに絞り、英語が当日試験ということに気づき、頑張ったTOEICが水の泡になってしまいます。
また、教科書を見ながら過去問の解答を作って大体の傾向を掴んだら、教科書を読み込んで基礎を落とさないように対策しました。
7〜8月は余裕が無かったので、「英語と専門科目が同時に勉強できるし一石二鳥!時短術!」と思い、洋書の教科書と演習書を使って苦手分野を克服しながら、ゴリゴリ過去問を解きました。
8月になったら教授に頼んで研究室の休みをもらい、7時〜22時までスケジュールを組んで、1日12時間くらいの勉強を3週間続けました。
毎日勉強時間を記録していて、記録を見返したら半年で合計600時間ほど勉強していたようです。
以下の記事では、私の院試勉強法や使った参考書を紹介しています。
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院試勉強のポイントとコツ
院試勉強のポイントはこの4つです!
- 真っ先に過去問を解いて、過去問の解答を作る
- TOEIC・TOEFLは事前に対策できるので、3年生のうちに取っておく
- 勉強する教科書は志望大学で使われているものを使用する
- 面接対策は志望動機と自分の研究をはっきり説明できればOK
真っ先に過去問をして、過去問の解答を作る
院試では、まず過去問を手に入れて解答を作ることに集中しましょう。
院試は受験する大学の先生が作るので、問題の傾向が毎年似ていることが多いです。
過去問を解いていくにつれて、何を勉強すればいいのかがはっきり分かるようになります。
出題されやすい範囲から勉強することで、時間が足りなかった場合のリスクを減らせますし、実力も早くつきます。
TOEIC・TOEFLは事前に対策できるので、3年生のうちに取っておく
院試での英語試験はTOEIC・TOEFLの事前提出である場合が多いです。
志望大学院を考え始めた時に、募集要項を読んで試験科目と形式を知りましょう。
TOEIC・TOEFLの提出であれば、2年以内の成績が認められるため、3年生の時点で対策が可能です。
3年時にコツコツ英語を頑張ることで、英語試験を満点で通過して専門科目だけに集中できます。
安心できる点数は大学院のレベルによっても変わりますが、合格した人たちの目安は、
TOEIC:700点
TOEFL:iBTで70点
を目指すと英語は問題ありません。
院試に合格した人たちの点数や勉強法はこちらにまとめています!
勉強する教科書は志望大学で使われているものを使用する
外部進学を目指す人は、今持っている教科書ではなく、志望大学で使われている教科書を使って勉強しましょう。
院試は内部生に向けて作られているので、内部生が習っている内容が出てきます。
そのため、内部生と同じ教科書を使って同じ内容を勉強する方法が効果的です。
使っている教科書によって難易度も変わるので、易しめの教科書を使っていて難関大を目指している方は注意してください!
面接対策は志望動機と自分の研究をはっきり説明できればOK
院試は面接がありますが、そこまで重視されている印象はありませんでした。
私が聞かれたのは、
- 志望動機
- 自分の研究のプレゼン
- 研究の質疑応答
- 院試の問題について
この4つぐらいでした。
志望動機と研究については掘り下げられるので、しっかり説明できるようにしておきましょう。
また、面接時には院試の点数が分かっていたみたいで、「有機化学はよく取れてるね」や「この問題はどう感じた?」などテストの出来や感想について尋ねられました。
その他は、その場その場で対応できる内容だったので、面接対策に時間をかける必要はありません。
JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)やNAIST(奈良先端科学技術大学院大学)など、面接が重視される入試の場合は、もっと時間をかけて対策をする方がいいです。
余裕のある時期から勉強を始めて、院試に合格しよう
院試は情報戦です。
周りがどの時期から勉強しているのか、どのくらい努力しているのかを知ることで、自分の院試スケジュールの目安にできます。
余裕のある時期から、少しずつ始めて無難に院試を突破していきましょう!
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